和食は健康的ではない?糖質制限と和食の注意点について

日本人にとってはもちろんですが、世界的にも和食というものが健康的な食事として注目されているという話を目にします。

野菜をふんだんに使った和食というものは、たしかに体に良さそうな気がしますよね。

しかし一方で糖質制限を実践する側からの意見として、「和食は全く健康的な食事ではない」という意見も聞かれます。

今回は「和食と糖質制限」について詳しく見て行きましょう。

和食とは

和食(日本料理)の定義とは、日本で伝統的に食されている料理全般という事になります。

一般に、ご飯(米)を主食とした複数のおかずで構成される食事を指し、ご飯・汁物・おかず三品といった構成の一汁三菜が和食の定番として知られています。

おかずの内容としては基本的に野菜や魚を使ったものが多い一方、現代においては獣肉を使ったものも多く、食材のバリエーションは非常に豊富であると言えます。

味付けは一般的に甘味が多用される傾向にあり、砂糖や味醂、水飴などが多く活用されています。

和食と糖質制限の関係

糖質制限を推奨する側の意見として、「和食は糖質過多で体に悪い」というものがあります。

これは多くの和食において実際に当てはまる特徴であると言わざるを得ません。

どういった点が和食を高糖質なものとしているかといえば、以下のような和食の特徴によります。

ご飯を主食とした食事

まず和食とは基本的にご飯を食べる事を前提としたものでありますから、米を多く摂取することによって非常に高糖質な食事となる事が宿命付けられています。

米の糖質量は以下の通りです。

  100gあたりの糖質量
精白米(炊いていない) 77.1g
精白米(炊いたご飯) 35.6g
玄米(炊いていない) 71.3g
玄米(炊いたご飯) 34.2g

このように、炊いた白米には100gあたり35.6gもの糖質が含まれています。

茶碗一杯あたりの白米量が150~200g程度だとすると、茶碗一杯あたり50~70g程度の糖質量となります。

一方で白米よりも健康的なイメージのある玄米ですが、こちらも白米と遜色ない程度の糖質を含んでいる事が分かります。

特に炊飯した玄米には、白米とほとんど変わらない割合の糖質が含まれている事がお分かり頂けるでしょう。

麺類も高糖質

ご飯を主食とした一汁三菜的な食事が高糖質になりやすいのはもちろん、ご飯以外の主食として活用される事の多い麺類もやはり高糖質な食品の代表格です。

うどん、素麺、中華麺、パスタなどの小麦麺はもちろん、蕎麦に関しても非常に高糖質な食品となっています。

特に蕎麦は健康的なイメージが強いために誤解されやすいのですが、糖質量という観点から見た場合には小麦麺に引けを取らない割合で糖質を多く含んでいます(実際には市販の蕎麦は小麦を多く使っているものも多いのですが)。

  100gあたりの糖質量
うどん(ゆで) 20.8g
そうめん(ゆで) 24.9g
蕎麦(ゆで) 24.0g

このように小麦や蕎麦のような穀類を原料とした麺類には多くの糖質が含まれています。

味付けに砂糖が多用される

和食において重要な調味料として真っ先に思い当たるのは醤油や味噌だと思います。

しかしそれらに負けず劣らず和食での使用量が多いのが砂糖です。

和食の味付けを特徴付けるものとして、砂糖が果たす役割は非常に大きく、砂糖を使う事でコクを出している料理は和食では非常に多いのです。

砂糖は言うまでもなく糖質の塊ですから、砂糖が多用される料理というものは自然と高糖質なものとなってしまいがちです。

現状の一般的な和食は高糖質であるために健康的ではない

結論を言ってしまえば、現状一般的に作られている和食というものは健康的な食事とは到底言えないものです。

主食として米や麺類を多く食べ、味付けに砂糖などを多量に使うことによって高糖質な食事となってしまう事が主な要因です。

こういった特徴を踏まえると、糖質制限を実践している身としては「和食はお勧めできない」と言わざるを得ないというのが正直な所としてあります。

本当の意味で「健康的な和食」にするためには

現状の和食が健康的ではない事はここまで説明してきた通りですが、とは言え和食には当然良い面もたくさんあります。

例えば日本の豊かな自然で育まれた多用な食物を、四季の移ろいを感じながら味わえるというのは、和食が持つ最も重要な美点ではないでしょうか。

野菜や魚類を中心としつつ、近年では獣肉なども多く取り入れられているので、栄養バランスという点においては大変優れた料理が数多く存在します。

さらには味噌や納豆をはじめとした様々な発酵食品は、腸内環境を整える上でも非常に良い影響を及ぼしているものと思われます。

そんな優れた和食というものを、本当の意味で健康的な食事として確立するためには、以下のような点を改善する必要があるでしょう。

ご飯を中心とした献立からの脱却

我々日本人にとってお米は特別な食べ物ですから、食卓の主役として存在させておきたいという思いが多くの日本人の中にあると思います。

しかし糖質量の観点から言えば、やはりご飯を主食とした食事を基本とするのは推奨する事はできません。

そもそも日本人にとってお米が特別な食べ物である事はもちろんですが、かといって毎食のように多量の白米を食べるようになったのは極々最近の事です。

白米の消費が一般的になった江戸では、ビタミン不足による脚気の流行によって多くの命が失われたと言います。

つまり米は日本人にとって大切な食品ではありますが、かといって多量に摂取する事を良しとするべきではない食品でもある事が歴史的にも証明されているのです。

普段はご飯を前提としない食事をとり、何か特別なタイミングでだけ(あるいは一日一食、おにぎり一つ程度など)でご飯を食べるような食文化へと移行するべきでしょう。

砂糖の使用を止める

和食が高糖質になりがちな要因のもう一つとして、味付けで多量の砂糖が使用されるという特徴があります。

砂糖の他にも味醂や水飴などが活用される事もありますが、これらは非常に高糖質な調味料ですから、こういったものを多く使っている和食というものは当然高糖質な料理とならざるを得ません。

しかしそもそも和食というものは日本の料理、この自然豊かな日本列島でとれる食材をふんだんに活用した料理の事を指すはずです。

今日的な意味での和食らしい味わいというのは、多くのもので砂糖を多量に使うものとなっていますが、砂糖を始めとした高糖質な調味料の使用を控える事で、和食を高糖質なものから脱却させる事も可能となります。

実は砂糖というものは古来の日本には存在しておらず、もっぱら外来の調味料なのです。

かつては薬として活用されてもいたようですが、江戸時代に国内生産が開始され、調味料として一般的に普及したのは明治以降の話です。

本来的な意味での和食が持っていた甘味というのは、食材が持つ甘味であったり、あるいは味噌のような発酵食品によって得られた自然な甘さだったのです。

それが砂糖が手ごろに入手できるようになったことで簡単に甘味=旨味を表現できるようになり、簡易的なコクの表現として砂糖が多量に使われるようになりました。

つまり本来の和食(日本の料理)には砂糖というものは使われていなかったわけですから、今こそ砂糖の利用を止めるべき時ではないでしょうか。

砂糖はもちろん、果糖ブドウ糖液糖やハチミツ、メープルシロップといったものも同様に高糖質な甘味料となっているので、使用は避けるべきです。

もし甘味調味料が必要であるのなら、血糖値を上昇させない甘味料として最も安全性が高いとされている「エリスリトール」を活用すると良いでしょう。

このように、和食における甘味の表現を食材などが持つ自然な甘み主体のものとして、さらに甘味料が必要な場合にはエリスリトールのような体に吸収されづらい甘味料を活用するようにすれば、和食は必ずしも高糖質なものではなくなります。

おかず主体の新たな和食に期待

これまでの和食というものは、ご飯をいかに美味しく食べるかといった事が主眼に置かれていたような所があると思います。

しかしこれからの和食というものは、主役の座をおかずに譲る事が健康面を考えた場合には重要となります。

そうした上で、特別な時に適量だけご飯を食べるというのが、これからの和食が実現するべき新たな姿でしょう。

その上で味付けには砂糖を使わない、これを徹底したいところです。

砂糖自体はもちろん、各種調味料には少なくない割合で砂糖が含まれていますので、そういったものも同時に割けることが必要となってきます。

最近ではありがたいことに、多くの場合で砂糖を沢山使っているような調味料(めんつゆ、ポン酢醤油など)に関して、砂糖の代わりに血糖値を上げない甘味料を用いた商品も登場しており、和食を低糖質なものとして実現しやすい状況が整いつつあります。

和食というものが今後も末永く日本人の食生活、さらには世界の食生活において支持されて定着していくためにも、和食の低糖質化という事は一刻も早く実現していくべきでしょう。

それが実現できた暁には、胸を張って「和食は健康食である」と言える事でしょう。


各種糖質量の出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)