糖質制限中の必要ビタミンC摂取量について【人間とビタミンCとブドウ糖の関係性】

糖質制限食では糖質の多い食品を避けるわけですが、多少糖質が含まれているにしても食物繊維やビタミンを摂取するために野菜はしっかりと摂取する事が推奨されています。

ビタミンの中でも不足しやすいのがビタミンCであり、そのためにビタミンCのサプリメントは最も一般的に普及しているサプリメントの一つとなっていますよね。

実は糖質制限をしている場合には通常考えられているほどにはビタミンCを摂取する必要はないのではないか?という考え方もあります。

今回は糖質制限中のビタミンC摂取と、人体におけるビタミンCとブドウ糖の関係について考えてみたいと思います。

ビタミンCとは

ビタミンCとは水溶性ビタミンの一種であり、物質名的にはアスコルビン酸と言います。

体内での働きとしては、ミネラル(鉄分やカルシウムなど)の吸収を助け、ビタミンEの再利用やコラーゲンの合成にも利用されており、体内で不足すると壊血病(体内の各器官で生じる出血性の障害)を発症するとされています。

ビタミンCの摂取目安量

ビタミンCの推奨摂取量(一日)は厚生労働省によると以下のような数値となっています。

年齢 C(mg)
男性 1~9 40~70
10~17 85~100
18以上 100
女性 1~9 40~70
10~17 85~100
18以上 100
妊婦 +10※2
授乳婦 +45※2

※2:対象年齢の目安量(推奨量)にこの値をプラスする。

関連記事

糖質制限を実践している場合、低糖質・高タンパク・高脂質な食生活になる事が多いと思います。 それ自体はなんら問題ないのですが、そこで気になるのはそれ以外の栄養素であるビタミンやミネラルについてではないでしょうか。 今回はその中でもビタミン[…]

野菜いろいろ01

成人であれば男女ともに100mg以上の摂取が望ましいとされています。

ビタミンCを野菜で摂取する場合

ちなみにビタミンCを100mg摂取しようとした場合、おおよそ以下のような量の野菜を摂取する必要があります。

100gあたりのビタミンC含有量 ビタミンC100g摂取必要量
キャベツ(生) 41mg 244g
ブロッコリー(ゆで) 55mg 182g
ニンジン(生) 22mg 455g
ほうれんそう(ゆで) 19mg 526g
きゅうり(生) 14mg 714g

茹でる事によって水溶性ビタミンであるビタミンCがお湯に溶けだして減衰しますが、それでもブロッコリー(ゆで)は100gあたりに55mgのビタミンCが含まれているという事で、ビタミンCを摂取する上では非常に優秀な野菜である事がわかります。

キャベツやニンジンは、生で食べる事を想定した場合には優秀なビタミンC摂取源と言えるでしょう。

人間がビタミンCを体内で生成できない理由

自然界では多くの動物は体内でビタミンCを生成できる機能を備えています。

しかし私達人類や猿はビタミンCを体内で生成する機能が備わっていません。

なぜこのような事になっているのかというのは、はっきりした事は分かっていませんが、進化の過程で必要がなくなって淘汰された機能であるという考え方がされています。

ビタミンCの生成機能が必要のない状況というのは、主に二つが考えられます。

  • 食物から豊富に摂取できるような環境にある
  • 体内で必要なビタミンCが微量ですむように進化した

そう考えた場合、かつての人類が日常的にビタミンCの豊富な食物を摂取していたとは考えにくいので、後者の方がより現実的な見方と言えるでしょう。

ビタミンCの大きな作用として、抗酸化作用というものがあります。

これは酸化と呼ばれる人体にとって有害な化学反応が体内で起こるのを予防する、その程度を弱める作用の事を指します。

しかし我々人類はビタミンC以外にも強力な抗酸化物質を体内にもっており(尿酸、グルタチオンなど)、抗酸化作用に限って言えば必ずしもビタミンCを随時摂取する必要はないと言えるのです。

ビタミンCの必要量というのは基本的にブドウ糖の摂取量と比例するものと思われます。

というのも、自然界でビタミンCを体内で合成できる動物というのは、その分多くのブドウ糖を摂取するという性質も持っているのです。

そしてそういった動物はブドウ糖を原料としてビタミンCを生成しています。

ブドウ糖とビタミンCは密接な関係にあります。
というのもブドウ糖の分子式は「C6H12O6」となっており、C(炭素)6個、H(水素)12個、O(酸素)6個が結合したものです。
それに対してビタミンCの分子式は「C6H8O6」となっており、実はブドウ糖からHを4個だけ取り除いたものなのです。
このような形で人間や猿以外の多くの動物はブドウ糖を原料としてビタミンCを体内で生成しているのです。
つまり本来的な意味でのビタミンCの意義とは、「糖質(ブドウ糖)を主食とするような動物において体内に取り入れたブドウ糖から抗酸化物質として生成されるもの」であると考えられるのです。
糖質制限を実践なさっている方ならお分かり頂けていると思いますが、糖質を多く摂取した時に人体が示す反応を見ても、「糖質を多く含むモノが人類本来の主要な食物ではない」事は明らかです。
ということは糖質が主要な食物ではない人類にとってはビタミンCを体内で生成する意義は薄く、だからこそブドウ糖を体内でビタミンCへ作り替える機能が備わっていないのだと考えられます。
先ほども触れたように、人間の体内にはビタミンC以外にも抗酸化作用を持った物質がしっかりと備わっていますので、その点に関しては何も問題ないのです。
しかしここに「糖質過剰食による酸化ストレスの増加」という要素が加わって来ると話が少々変わって来ます。
糖質過剰な食生活を送っていると、低糖質な食生活に比べて多くの酸化作用が発生します。
つまり、人間本来の食生活(低糖質食)で生活する分には尿酸などの抗酸化物質(少量のビタミンCも含む)で酸化ストレスに対応できるものが、穀物をはじめとした高糖質食で生活するようになった結果として、より多くの抗酸化物質が必要となったことで、本来は不要なはずの多くのビタミンC(抗酸化物質)を多く摂取する必要が出てきている可能性があるのです。

糖質過剰がビタミンC代謝を阻害する

ビタミンCは抗酸化作用以外にも、人体にとって重要な役割を果たしています。

そういった意味でビタミンCは人間にとって必要な物質である事は確かなのですが、問題はその量です。

端的に言えば、「糖質を過剰に摂取しているからビタミンCを多く摂取する必要が出てきているのではないか?」と考えられます。

高糖質な食生活を送る事で発生する高血糖状態はビタミンCの代謝を阻害すると言われています。

つまり糖質を多く摂取する事で、ビタミンCは体内に吸収されづらくなり、さらには体内で使われたビタミンCがグルタチオンという物質の効果で再生・再利用される効果すら阻害されてしまうと思われます。

そうすると体内で必要なビタミンCが不足する事になり、より多くのビタミンCを食品から摂取する必要が出てくるのですが、ビタミンCの吸収が阻害された状態でビタミンCを摂取する事になるわけですから、さらに多くのビタミンCが必要になるという悪循環が発生します。

これが現代社会でことさら「ビタミンCをたくさん摂取しましょう」と言われる大きな要因となっていると考えられるのです。

人類が体内でビタミンCを合成できない点から考えても、ビタミンCの必要量とは本来それほど多くはないのでしょう。

しかし糖質過剰な食生活が一般的となっている現状においては、「ビタミンC欠乏に陥りやすく、食物から摂取しようにも吸収が悪い」という状況となっているために、より多くのビタミンCを摂取しなければならない。

これが現代人におけるビタミンC欠乏の現実ではないでしょうか。

糖質制限をすればビタミンCは少量で十分

ここまで説明してきたように、ビタミンCの必要量とは本来それほど多いものではないものと思われます。

もちろん全く摂取しないわけにはいきませんが、日々の食生活で自然と摂取できる程度の量で本来は十分なはずであり、ことさらビタミンCが豊富な食品を多く摂取したり、サプリメントで追加摂取する必要はないのです。

しかし糖質過剰な食生活となると、酸化ストレスは増加しますし、体内のビタミンCは欠乏しがちとなり、新たに摂取したビタミンCも吸収されづらくなります。

つまり糖質過剰摂取状態の人は確かにビタミンCを意識的に多く摂取した方が良い(厚生労働省推奨値程度)と思われますが、糖質制限実践者に関しては野菜などを摂取する事で自然と摂取できる程度で問題ないという事です。

具体的な数値は提示できませんが、恐らくは厚生労働省が推奨する摂取量の半分程度でも糖質制限実践者であれば全く問題ないのではないかと思われます(あくまでも予想です)。

特にビタミンCサプリメントというものに関しては、基本的にはお勧めできません。

ビタミンCに限らず多くのサプリメントは、食物で摂取するのに比べて有意に栄養の吸収率が悪い事が明らかとなっています。

つまり「ビタミン〇を〇〇〇mg配合」といったサプリメントを飲んだとしても、食物によって同量のビタミンを摂取するのに比べると明らかに体内に吸収される割合は低くなる事が分かっています。

「糖質制限をしつつ野菜などからビタミンCを適度に摂取」というのが、最も望ましいビタミンCとの接し方と言えるでしょう。