『糖質制限食』とは?

糖質制限』を実践するというのはつまり、糖質を制限した食事である『糖質制限食』を日々の暮らしで実践する事だと言えます。

しかし巷には様々な糖質制限の方法論が散在していて、何を基準に糖質制限を実践したら良いかを悩んでらっしゃる方も少なくないのではないでしょうか。

そこで今回は、当サイトで推奨する糖質制限食について詳しく解説して行きたいと思います。

糖質制限食とは

『糖質制限食』とは名前の通り、「糖質の摂取量を制限した食事」の事です。

なぜ糖質を制限するべきかと言えば、糖質の摂取が血糖値の上昇を生み、頻繁な血糖値の上昇が様々な病気の根本的な原因となるからです。

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パン色々

人間の体は基本的に血糖値の低下(低血糖状態)に対しては何重にも渡るセーフティーネットが敷かれており、万全の体制で保護するように出来ています。

ところがそれに比べると血糖値の上昇に関しては非常に脆弱な保護機能しか有していません。

そんな人体が近代社会では糖質の過剰摂取で日常的に高血糖状態を引き起こしており、そのことが大きな身体的負担となって我々の健康を害する様々な病態として表れています。

血糖値を直接的に上昇させるのは糖質のみですから、高血糖状態を発生させないために食品から摂取する糖質量を制限しようというのが糖質制限食の目的となっています。

糖質制限食については様々な方々がガイドラインを提唱なさっていますが、当サイト『PFcメソッド』では糖質制限食をご自身の病院で入院食として日本で初めて導入するなど、日本における糖質制限食普及の第一人者である江部康二先生が提唱する糖質制限食のうち、『スーパー糖質制限食』を参考とさせて頂く形で以下のように『PFcメソッド』として推奨する糖質制限食を定義しています。

『PFcメソッド』推奨の糖質制限食

  • 一日二食(一食や三食も容認)
  • 一食あたりの糖質量は20g以下
  • タンパク質と脂質は満足感があるまで十分に摂取する
  • ビタミンやミネラルも意識的に摂取する
  • 間食は一日合計糖質量10g以下に限り容認

この食事法であれば、すでに糖尿病になってしまっている方でも合併症が発症するリスクを最小限に抑える事ができますし、糖尿病の予防やダイエット法といった観点からも絶大な効果が期待できます。

ちなみに当サイト『PFcメソッド』では糖質の制限度合いに応じて以下のように定義されています。

  • PFc-1:PFcメソッド推奨の糖質制限食
  • PFc-2:PFc-1 + 糖質緩和食(糖質量40g以下)を一食まで
  • PFc-3:PFc-1 + 糖質緩和食(糖質量40g以下)を二食まで

当サイトとしては基本的にPFc-1を推奨していますが、もし様々な理由でPFc-1を実施するのが困難である場合、糖尿病の予防という意味合いで言えばPFc-2を実施する事をお勧めしたいと思います。

ただしこれは、あくまでも糖尿病の予防(つまり、まだ糖尿病になっていない方)という観点で言えばという話であり、すでに糖尿病を発症している方に対しては絶対的にPFc-1をお勧めします

なおPFc-3に関しては、糖質制限食を実施する上で段階的にならしていく過程としてならアリですが、非糖尿病者が継続して行く事を考えても少なくともクラス2のラインまでは頑張って頂きたい所です。

PFc-3程度の糖質制限では、多少の減量効果はあるかも知れませんが、将来的に糖尿病を発症してしまう可能性も十分にあるぐらいの糖質摂取量となってしまう点はご留意ください。

もちろん一般的な糖質過多食(一般的な食生活の場合、一日に300g以上の糖質を摂取していると言われている)に比べれば随分とマシであるのは確かではありますが。

一般的な食生活=糖質過剰摂取

一般的な食生活と言うとどのようなものを想像するでしょう。

  • 朝:ジャムパン、ベーコンエッグ、野菜ジュース
  • 昼:ラーメン
  • 夜:カレーライス

例えばこんな食事をとった一日があったとしたら、普通の価値観で言えば極めて一般的な食生活だと感じるのではないでしょうか。

実はこんなありふれた一日の食事で摂取する糖質量は、人間の体にとっては極めて過剰な量となってしまうんです。

食べる量にもよりますが、上記のような食事と間食や糖質を多く含む飲み物などを摂取していると、一日に300gを軽く超えるような糖質を摂取している事になってしまうのです。

この300gというのがどれほど多いかと言うのは、先ほど当サイトで推奨する基準として紹介した『PFc-1』の基準値を思い出して頂ければわかりやすいでしょう。

『PFc-1』では一食の摂取糖質量を20g以下に抑えつつ一日二食(+10g以下の間食)を推奨する食事法ですから、300gというのは実に6倍もの糖質量という事になってしまいます。

厚生労働省が推奨する糖質摂取量は300g/日オーバー!?

それほどこの300gというのは健康的な食生活を考えた場合に多量な糖質量なのですが、恐ろしい事に厚生労働省が推奨する食事バランスによると、それに迫る(あるいは大きく上回る)量の炭水化物を摂取するべきであるとされているのです。

正確には「タンパク質と脂質の目標摂取上限値を推定エネルギー必要量から差し引いた分は炭水化物から摂取するべき」というのが『日本人の食事摂取基準(2020年版)』による指標ですが、結論を言えば6割程度(50~65%)を炭水化物で摂取する事が望ましいとされています。

推定エネルギー必要量は年齢性別やBMI、さらには日々の運動量などによって変化しますが、30~49歳の平均的な体格と運動量である男女に関して言えば以下のようになります。

  • 男性:2700kcal
  • 女性:2050kcal

このうち6割を炭水化物で摂取することが推奨されているという事は、男性で1620kcal、女性で1230kcal分の炭水化物を摂取する事が推奨されているという事になります。

炭水化物は1gあたり4kcalと言われているので、重さに換算すると男性で405g女性で308gといった量となります。

各年代、活動量別の数値は厚生労働省が公開している資料でご確認頂きたいのですが、以下のようになっています。

推定エネルギー必要量
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586556.pdf

「Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」と別れているのは日々の活動量の多寡によるもので、活動が少ない人はⅠを、活動が多い人はⅢを参照してみて下さい。

もちろんこの炭水化物には食物繊維も含まれるので全てが糖質という訳ではないものの、一般的に食物繊維と糖質の比率は圧倒的に糖質寄りですので、実質的にはこれに迫るぐらいの糖質量を摂取する事を推奨されていると見ても良いでしょう。

国が推奨しているのだから当然正しい事なのだろうと思ってしまう方も多いと思いますし、それは当然の感想でしょう。

しかし残念ながら厚生労働省が推奨する食事バランスには科学的に信頼度の高い根拠があるわけではなく、これらのPFCバランスの根拠となっているのは「一般的な人々の食事内容」なのです。

要するに「多くの人は大体このようなバランスの食生活を送っているから、そこから逸脱しない範囲の食生活をしましょう」というのがこのバランスの根本的な根拠であり、言ってしまえば「それだけの話」なのです。

厚生労働省が推奨していると言っても、その厚生労働省も実は本当に適切な栄養バランスというものは把握できておらず、「分からないからとりあえず普通の事を言っておこう」といった具合に目安とする摂取量を提示しているに過ぎないのです。

そしてその根拠となっている一般的な食生活における栄養バランスが、結果として現代病や生活習慣病と呼ばれるような疾患を増加させ続けているのです。

糖尿病の原因は分からない?

糖尿病に関して調べて行くと不思議な事があります。

それは、「糖尿病の原因は様々な要因によるもので特定できない」といった言い回しが多用されている点です。

しかしこれは嘘、事実を隠されています。

1型糖尿病のような先天的・突発的なインスリン分泌不全は別として、糖尿病患者の大多数を占める2型糖尿病に関して言えば、その原因は明らかに糖質の過剰摂取だと言えます。

しかし、ある意味ではこの理屈は正しいとも言えます。

というのも、何しろ先ほど説明したように国が推奨する模範的な食生活を送っていたら例外なく糖質過剰摂取に陥りますので、糖質過剰摂取状態がある意味では普通なのです。

そんな普通の食生活を続けていた人が糖尿病を発症したとしたら、それは見方によっては「原因不明の病気」と言えなくもないでしょう。

もちろんこれは単なる皮肉ですが、現状では先進的な医師の方々の努力によって状況が改善されつつあるにしても、糖尿病治療の現場でいまだに多く存在している喜劇のような悲劇です。