糖質制限食と災害時非常食

ここ数年でも様々な災害が発生していますから、何かあった時に備えて非常食を備蓄しておこうとしている(すでにしている)人も多いのではないでしょうか。

しかしそんな時に問題となるのは糖質制限食と非常食の親和性についてです。

今回は非常食と糖質制限の関係性や、糖質制限を実践している方にお勧めできる非常食の紹介をして行きます。

非常食と糖質制限

『非常食』というよりもむしろ『保存食』と言った方が良いかも知れませんが、糖質制限向きな食品というのはどちらかと言えば保存に向かないものが多いです。

もちろん全くないわけではありませんが、例えば非常食を連想した場合真っ先に思い浮かぶであろう『乾パン』や『缶パン』そして『アルファ米』などは当然糖質過多ですからね。

麺類に関してもインスタント麺はもちろんの事、乾麺も保存期間が長い点で日常的に備えておくには向いていますが、糖質制限食を実践している方にとっては選択肢には入れづらいと思います。

こうやって考えて行くと、糖質制限者にとって安心して食べられる非常食は各種『缶詰』ぐらいしか思い浮かばないというのが正直な所ではあります。

糖質制限的おすすめ非常食

非常時と言ってもそのレベルは様々ですが、電気が通らない=冷蔵庫が使えない状況を想定して「常温で長期間保存が効くもの」という前提で話を勧めたいと思います。

缶詰

やはり一番はこれでしょう。

糖質量の少ない缶詰を見繕って、常時一定の量を確保しておくことをお勧めします。

出来るだけ消費期限が長いものが望ましいのですが、それと同時に「好きなモノ」を揃えておくことも災害時のような気落ちしやすい状況下では軽視できない重要な要素となってきます。

魚類

魚の缶詰でお勧めなのは『サバの水煮缶』です。

一般的な量の缶詰一つでも中々の食べ応えがあり重宝する事間違いなしでしょう。

味付きにものでも良いですが、そちらの方が高糖質となってしまうのでご注意下さい。

あとは定番の『シーチキン』も良いですね。

単品で食べてもよし、何かと和えても良しと使い勝手も良好です。

肉類

肉の缶詰ということであれば『コンビーフ』がお勧めとなるでしょうか。

肉類の缶詰は味付けの関係で糖質量が多くなりやすい傾向がありますが、コンビーフならその心配は無用でしょう。

それ以外にも糖質量(炭水化物量)が控えめなものであれば、好きなお肉の缶詰を備蓄しておくことをお勧めします。

野菜類

保存食として難しいのが野菜の摂取です。

魚や肉にもまして保存に向かない食材なので、非常食として考えるのは中々難しい所があるのですが、缶詰で長期保存がきくものであれば確保しておきたい所でしょう。

糖質制限的な意味では選択肢があまりないのが難しい所ですが、『トマトの水煮缶』は野菜類の缶詰の中では比較的低糖質でお勧め出来ます。

豆類

豆類で糖質制限食と言えば、何と言っても大豆を置いて他にはありません。

『大豆の水煮缶』を常備しておけばタンパク質やビタミン、食物繊維を摂取できるので栄養補給の強い味方となってくれるでしょう。

瓶詰

缶詰と同様に保存性の高い食品が多い瓶詰。

こちらの場合、オイル漬けなどが多いと思いますが、缶詰で揃える事が出来る食品だけでは物足りないような場合には活用すると良いでしょう。

ただし瓶詰は全般的に「ご飯のお供」のような商品が多い事もあり、糖質制限的な視点ではあまり向いていないものも多い印象があります。

このへんは個々人の判断次第ですが、糖質制限食を前提とするなら単品で食べる事を想定した商品を選択した方が良いでしょう。

ナッツ類

ナッツ類は比較的低糖質であり、ビタミンなどの栄養補給にも向いており、そして保存性も高いため、非常食として揃えておきたい食品の一つです。

その中でも特に、比較的低糖質なのはこちら。

  • クルミ(100gあたり4g)
  • ヘーゼルナッツ(100gあたり6g)
  • マカダミアナッツ(100gあたり6g)

特にクルミは低糖質で(主にアメリカ産のものとはなってしまいますが)比較的安価で手に入るので、低糖質な保存食として向いているでしょう。

他のナッツ類(アーモンド、ピーナッツ、カシューナッツなど)は上の三種に比べるとやや糖質が多め(特にカシューナッツは比較的高糖質)ですが、とは言え炭水化物と比較すれば十分に低糖質な部類の食品とは言えますので、上の3種と共に保存食として常備しておくのも良いでしょう。

乾物

魚については缶詰が豊富なのでそちらで対応した方が良いと思いますが、肉類については干し肉(ジャーキー)が保存食として向ている側面もあります。

魚ばかりではなく肉も食べたいという場合、ビーフジャーキーやポークジャーキー、その他保存性の高い干し肉を常備しておくことをお勧めします。

魚についても保存性の高い乾物を揃えておく事は有用だとは思いますが、魚については缶詰の方が災害時の活用を考えた場合にはより適しているように思われます。

飲料

実は一番大切なのは飲み水の確保です。

水道が使えないような状況となった場合、せめて飲み水だけでも確保できているかどうかが極めて重要となります。

多くあるに越したことはありませんが、とりあえず一人あたり2リットルペットボトルを6本程度は最低でも備蓄しておくことを強くお勧めします。

水以外の飲料については長期保存に適しているものが極端に限られますので、基本的には水(ミネラルウォーター)一択となるでしょう。

他に野菜ジュースの備蓄をお勧めしているケースも多いのですが、野菜ジュースは比較的高糖質であり、糖質制限食としては適しておりませんので、その点はご注意下さい。

人間にとって塩分は欠かすことが出来ないものです。

他の食品から十分に塩分を接種出来る状況なら問題ありませんが、災害時で塩分が不足する可能性を考慮して、塩も十分に備蓄しておきましょう。

出来れば天然塩、塩化ナトリウム以外にミネラルが豊富に含まれているものが望ましいでしょう。

まずは水、そしてタンパク質と脂質

何よりも大切なのは水の確保です。

水がないとあらゆる意味で困ります。

飲料水は2Lペットボトルで1人あたり6本(よくダンボール1箱で売られています)、それとは別に生活用水として出来るだけどこかに水をためておく習慣をつけましょう(風呂に水を張っておくのも良いですが、これは風呂の設備次第では難しいでしょう)。

水にも消費期限というものがありますが、特に生活用水についてはそこまで神経質になる事もありませんので、水道水を何か(例えばキャンプ用の水タンクなど)に溜めておくだけでも良いでしょう。

飲料水は消費期限を見つつ、定期的に消費しつつ入れ替えた方が良いです。

あとは缶詰などでタンパク質と脂質を確保し、念のために塩を一定量常備しておけば、とりあえず食糧が無くて飢える心配はないでしょう。

そういった状態でどれぐらいを耐えれるだけの食品を確保するかですが、念のために1か月程度は持つぐらいの食品は確保しておいた方が良いでしょう。

備えあれば憂いなし、とは言いますが、どこまでの備えをすれば憂いがなくなるのかは難しい所。

ですので、とりあえずは1か月、これぐらいの備えをしておけば、余程の事態に遭遇しなければ安心でしょう。