『糖質制限ダイエット』とは?

糖質を制限する事には様々なメリットがある事は下記の記事でも説明しました。

関連記事

糖質の多量摂取が健康に悪影響を及ぼす事は、以前別の記事でも説明しました。 [sitecard subtitle=関連記事 url=https://pfc-m.net/tositu target=] 今回は当サイトで推奨している糖[…]

調味料イラスト

そんな中でも一般的に最も関心が高いのは、やはりダイエット法としての糖質制限ではないでしょうか?

糖質制限ダイエットが一般的に広がった事で、糖質制限というものに関心を示す人も増えました。

非常に喜ばしい事です。

糖質が体にもたらす弊害を考えるなら、体重を落としたい人だけではなく、より多くの方が実践するべき食事法であるのは間違いありません。

とは言え実際に糖尿病を発症してしまった方はともかく、これといった疾患を持っていない人が予防のために糖質制限食を実践するのは中々ハードルが高い事も良くわかります。

そういった意味ではやはり、ダイエットという明確な目的がある方が実践しやすいでしょうし、効果を体感しやすいのも確かでしょう。

今回はそんな『糖質制限ダイエット』について説明して行きます。

糖質とは?

糖質については別の記事で扱いましたが、ここで改めておさらいしておきましょう。

関連記事

『糖質制限』と呼ばれるものが一般的に知名度を得て、どんどん普及し始めています。 当サイト『PFcメソッド』を含めて多くの糖質制限推奨サイトが提唱するように、『糖質』の摂取量を減らす事が健康に繋がります。 しかしそもそも糖質とは何[…]

パン色々

糖質制限ダイエットというぐらいですから、『糖質』を制限する食事の事を指す事は分かりやすいですよね?

しかし問題となるのは、糖質ってなに?という部分じゃないでしょうか。

糖質とは、炭水化物から食物繊維を差し引いた栄養素の事を言います。

炭水化物の分類
©Kirin Holdings Company, Limited.

一般的には炭水化物という表現の方が多く使われて来ましたが、最近は糖質制限の広がりとともに成分表記にしっかりと『糖質』の項目を付けてくれている食品も増えましたね。

食物繊維は人の体内ではほとんど吸収できないので、消化されずに排出されます。

対して糖質は体の中で分解されて吸収されますので、その結果として血糖値の上昇、ひいては肥満へと繋がる大きな要因となってしまいます(ただし糖質の中でも一部のものは食物繊維と同様にほとんどが体に吸収されない性質を持っているので、血糖値の上がらない甘味料として活用されています)。

糖質は体内で分解されるものに関しては最終的に『ブドウ糖』と『果糖』に分解されて吸収される事になります。

後述しますが、このブドウ糖と果糖はどちらも肥満の原因となるものです。

血糖値とは?

血糖値という言葉は多くの人がご存知だと思いますが、案外それが具体的にどのようなモノなのかはご存知ない方も多いのではないでしょうか(病院のお世話になる事が少ない方は得に)。

血糖値を英語で表現すると「Blood glucose level」、つまりは「血液中のブドウ糖レベル」の事を指します。

この血糖値を上昇させるのは基本的に糖質を摂取した時のみです。

注意点として、この血糖値というのはあくまでも血中のブドウ糖濃度に着眼した数値ですから、果糖を多量に摂取して血中に多く放出されたとしても血糖値の評価基準とはなっていません。

故に「果糖は血糖値をさほど上昇させないから安全である」といった認識を持ってしまう方も少なくないようですが、後に触れるように果糖はインスリンの働きとは独立して中性脂肪を貯め込みますので、ブドウ糖同様、あるいはそれ以上に肥満の原因となります。

高血糖状態はあらゆる意味で人体にとって危険な状態ですが、この高血糖状態を解消しようとする人体のメカニズムにこそ人間が太る理由が存在するのです。

人が太る仕組み

血糖値が高い状況というのは、人体にとって良くない状態なのです。

血糖値が高い状況が維持されてしまうと血管の劣化を引き起こし、様々な病気の原因となってしまいます。

そこで体に備え付けられた機能として、血糖値を下げる作用が働きます。

この時に血糖値を下げる=血中のブドウ糖濃度を下げるために血液中にインスリンという物質が放出され、その作用によって血糖値を正常な数値まで引き下げてくれます。

しかしその時、インスリンがどうやって血糖値を下げる効果を発揮するのかと言えば、簡単に言えば血液中のブドウ糖を捕まえて体の各部位へ分配して行くんです。

それだけなら問題ないのですが、人間の体というのはそれほど多量のブドウ糖を蓄積しておくことは出来ませんので、余剰となったブドウ糖は中性脂肪へと変換されて体内に蓄積される事になります。

これが人間が太る基本的なメカニズムです。

それに加えて果糖に関しては血糖値の上昇にはそれほど強く関与しませんが、インスリンの働きとは別の経路を辿って中性脂肪へ変換されます

人の体が示す反応から言えば、ブドウ糖が結果的に肥満をもたらす栄養素であるのに対して、果糖は正に肥満をもたらすための栄養素とも言えるでしょう。

現代社会においては何かと邪魔者扱いされがちな体脂肪ですが、遥か昔の人類にとっては貴重なエネルギーの予備タンクであり、生命を維持するためには可能な限り体に蓄積しておくことが重要だったのです。

糖質制限ダイエット

こういった人が太る原因を考えて見れば、「太らない食事」というものがどのような食事かは明らかでしょう。

そう、糖質の摂取を制限すれば良いのです。

人が太る原因は糖質の摂取に起因しています。

であるなら糖質を摂取しない食生活をすれば良いだけの話ですよね。

そこで考案されたのが今で言うところの『糖質制限食』、それを用いた『糖質制限ダイエット』なんです。

糖質の過剰摂取さえしなければ基本的には太りません。(脂質やタンパク質もよほど過剰に摂取すれば若干の体重増加にはつながりますが、通常の満腹感で語る事ができる範囲であれば、まず肥満の原因にはなりません)。

であるのなら「糖質を多く摂取するような食事を取らなければ良い」、単純明快ですね。

そしてそういった食生活を続けていけば、体はエネルギー源として体内に蓄積された中性脂肪を利用する事になります。

さらには人間の体内には他の栄養素を原料としてブドウ糖を生成する機能(糖新生)が備わっており、その機能が糖質を摂取しない事により活発化する事で消費エネルギーが増える事も大きなダイエット効果を生み出します。

そうすると、体内に蓄積された中性脂肪がどんどんエネルギーとして消費されていった結果として痩せる事ができるのです。

糖質制限ダイエットの考え方は古くから存在していて、19世紀にはすでに炭水化物の摂取が肥満の原因であるという事を提唱する人がいたようです。

20世紀半ば頃にはアメリカの心臓病専門医であるロバート・アトキンス氏が考案した「アトキンス・ダイエット」が広く認知され、現在の糖質制限ダイエットの礎を築きました。

日本においては主食である『米』の牙城を崩す事の困難さから糖質制限の普及は無理ではないかとさえ言われていたようですが、高雄病院で糖質制限食による糖尿病治療を日本でいち早く取り入れ、糖質制限食の普及に尽力なさってきた江部康二先生をはじめとした様々な方の活動によって、主にダイエット法として一般的にも知られるようになりました。

具体的な指針

「糖質を制限すれば良い」とは言っても、具体的にどの程度まで制限すれば良いのかという点が気になりますよね。

当サイト『PFcメソッド』では以下のような推奨基準を設けています。

『PFcメソッド』推奨の糖質制限食

  • 一日二食(一食や三食も容認)
  • 一食あたりの糖質量は20g以下
  • タンパク質と脂質は満足感があるまで十分に摂取する
  • ビタミンやミネラルも意識的に摂取する
  • 間食は一日合計糖質量10g以下に限り容認

以上は当サイトが推奨する糖質制限食のルールです。

この基準はほぼ全ての人に対してオススメできるものですが、もしこの推奨基準が少々つらい(もう少し糖質を摂取したい)という事であれば、ダイエット目的であればもう少しレベルを下げても効果は期待できるでしょう。

詳しくは下記の記事をご覧ください。

関連記事

糖質制限を実施する上で問題となるのは、どの程度のレベルで実践するかという点です。 糖質を全くとらないのか、少しであれば許容するのか、それなりの量を許容するのか、あるいは最低限度の摂取量を規定するのか。 そういった点について、当サ[…]

階段イラスト1200

糖質は体にとって必要な栄養素…?

しかしここで問題となるのは、糖質を摂取しない事で不都合な事はないのか?という点だと思います。

栄養士さんの中には「糖質は体にとって必要な栄養素だからしっかりと摂取しましょう」といった栄養指導を方も多いので、それを聞くと「なるほど、確かに全く取らないというのは体に悪そうだな」と思えて来ますよね。

しかし実は、糖質というものは食物から摂取する必要は全くないものなんです。

人間の体内にはたしかにブドウ糖を必須のエネルギーとするもの(赤血球)が存在するので、体内でブドウ糖が枯渇すると人間は生命を維持できないというのは本当です。

しかし人間の体には『糖新生』とよばれる機能が備え付けられていて、この機能によって他の栄養素からブドウ糖を作り出す事ができるのです。

人間の体には食物から摂取しなければいけない栄養素というものが少なからず存在しており、それらは『必須アミノ酸』や『必須脂肪酸』と呼ばれています。

しかし糖質に関しては、食物からの摂取が「必須」と言えるようなものは存在していません(必要なものは全て体内で生成できます)。

この事からも、糖質というものが人体を構成する上でタンパク質や脂質ほど重要なものではない事が伝わって来るのではないでしょうか。

「運動で痩せる」は無理がある

少し前までの(あるいは今でも)ダイエットの常識としては、「食べる量(摂取カロリー)を控えて消費カロリーを増やすために運動しましょう」というのが一般的でした。

しかしこういったダイエット法は非常に辛く長続きしないか、あるいはあまり痩せる事ができないといった状態に陥ってしまう人が非常に多いんですよね。

摂取カロリーを控えるという事は食事の満足感が大幅に削がれてストレスが溜まりますし、運動をする事で空腹を助長するので、更に多くのストレスに晒されます。

そういったダイエットはやはり辛いものですし、カロリーの摂取量を減らすような方法では体の各部位に不調をきたす可能性もあり、非常に不健康な痩せ方だと言えます。

ストレスを緩和するために運動後には好きなものを種類を問わず沢山食べる事を自分に許してしまうと、もはや運動によって消費されたカロリーよりも遥かに多くのカロリーを摂取する事になってしまう可能性もあります。

そもそも『カロリー』といった単位でダイエットを考えるのが間違っており、人が太るメカニズムは先述したとおり「糖質の摂取」に起因していますから、そこを控えなければ減らした脂肪を食事で次々と再蓄積するというマッチポンプ構造が成り立ってしまうのです。

適度な運動は健康のために良い事です。

しかしそれはあくまでも健康のために行うものであり、肥満解消のために行うものではない事は強調しておきたい部分です。

ダイエットで最も重要なのは食事内容です。

適度な運動は食事による効果を支える事はあっても、食事の不摂生(糖質過剰摂取)を帳消しにはしてくれません。

注意点

糖質制限ダイエットを行う上での注意点は、誤ってカロリー制限状態にならないようにする事です。

糖質の摂取を控えるのは当然重要なのですが、糖質以外の栄養素(タンパク質、脂質)に関してはしっかりと満足感があるまで食べる事が非常に重要です。

一応の目安として、厚生労働省が発表している一日の推定エネルギー必要量を参考としつつ、それを満たせる程度にはタンパク質と脂質を摂取するようにしてください。

タンパク質は1gあたり4kcal、脂質は1gあたり9kcalとされています。

推定エネルギー必要量
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586556.pdf

もっとも、計算が面倒であったりそもそも食物に含まれるタンパク質や脂質の総量を常時考慮に入れるというのは中々大変な事だと思いますから、「タンパク質と脂質は制限せずお腹一杯食べて良い」と思っておいて頂いても問題ありません(お腹一杯を通り越すほどの暴飲暴食は推奨しかねます)。

さらにはビタミンやミネラルといった栄養素もしっかりと摂取する意識が重要ですから、野菜は積極的に摂取したい所ですね。

糖質制限ダイエットとは、人体に適した食生活

今回説明してきた事をまとめてみましょう。

  • 糖質とは炭水化物から食物繊維を差し引いたもの
  • 糖質の摂取によって血糖値が上昇し、インスリンの働きで血糖値を下げた結果として中性脂肪が体内に蓄積される
  • 果糖はインスリンを介さずに中性脂肪として蓄積される
  • 太る原因は糖質にあるので、糖質の摂取を控えれば太らない
  • 糖質を制限する事で体は体内に蓄積された中性脂肪をエネルギーとして使うようになり、そうすればどんどん痩せて行く
  • 糖質は体にとって少量は必要なものだが、その少量は体内で生成できるので食物から摂取する必要はない
  • 運動によって痩せるのは無理があり、あくまでも健康のため、あるいは食事によるダイエットを補足する役割でしかない

糖質制限ダイエットとはつまり、「太る原因を断ち、体の脂肪をエネルギーとして消費する事によって痩せる」ものです。

こういった食生活というのは、実は人類が長い歴史の中で実践してきた本来の食生活でもあるのです。

人類が穀物を大量に消費するようになったのはここ数千年来の出来事です。

それ以前の人類は基本的にはタンパク質や脂質が豊富な食生活を送っており、糖質の摂取というのは極々稀な機会かつ少量の摂取に限られていたと推定されます。

ですから人間の体は大量の糖質を摂取する事を前提に作られていないのです。

そんな構造の人間が穀物を大量に摂取する生活に移行したのが近代社会であり、それと共に急増しているのが生活習慣病というものですね。

我々人類は糖質を過剰摂取する事にすっかり慣れているように思われますが、体の構造はまだまだそういった食生活に適応できていないのが現状です。

その結果として、肥満を始めとした生活習慣病のリスクを高める事になっています。

糖質制限ダイエットと言いますが、その実ダイエットという括りだけではなく多くの人が実践するべき正しい食生活でもあるのです。

まずはダイエットとして初めてみるのは非常にお勧めできますが、ダイエットはあくまでも入り口です。

痩せることが出来た後も今後の人生を健康的に過ごすために、糖質の摂取は控えた食生活を続けることを強くお勧めします。

でなければ、『リバウンド』と銘打たれた必然的な肥満への回帰と、糖尿病を始めとした様々な疾患が貴方を待ち構えている事でしょう。

関連記事

ダイエットをして痩せた後にしばらくして体重が元に戻ってしまう事を『リバウンド』と言いますよね。 糖質制限ダイエットを行った人の中にも、リバウンドしてしまったという人は少なからずいるようです。 せっかく痩せたのに元の体重に戻ってし[…]

リバウンドイラスト