糖質制限の必要性と意義

糖質の多量摂取が健康に悪影響を及ぼす事は、以前別の記事でも説明しました。

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今回は当サイトで推奨している糖質制限を行う事の意義を、効用別に詳しく説明して行きたいと思います。

ダイエット法

糖質制限を広く世に広めたのは何と言っても糖質制限ダイエットの存在によるところが大きいと思います。

一般的にはこの点が最も注目されているのではないでしょうか。

人が肥満に陥る(体内に中性脂肪を過剰に蓄える)原因は糖質の過剰摂取にあります。

かつては三大栄養素の中で脂質が最も大きな肥満の原因であると言われていましたが、今では全く間違った理論であったことが分かっています。

人が太る主なメカニズムとは以下のような流れによるものです。

糖質の摂取によって血糖値が上昇

血糖値を下げるためにインスリンが分泌される

インスリンの働きで血液中のブドウ糖が各細胞へ分配される

各細胞へ分配後、余ったブドウ糖を中性脂肪として体に蓄積

体の各細胞へ分配されるブドウ糖の量はそれほど多くはなく、現代人はその量を大幅に上回る量のブドウ糖を摂取しているのが現状です。

この他にも果糖は、インスリンの働きとは独立した形で中性脂肪へと変換された後に体内で蓄積されます。

このように、肥満の原因となっているのは糖質であり、その過剰摂取が肥満に繋がる一番の要因となっているのです。

過剰摂取と言うと、「自分はそんなに沢山食べる方じゃないから」といった感想をもつ方もいらっしゃるでしょう。

しかし現代人にとって普通の食生活が、すでに糖質過剰な食生活となってしまっているんです。

具体的に言えば、一日三食毎に茶碗に一杯のお米を食べている方、そうでなくてもお米の代わりに麺類やパンなどを毎食食べている方は、ほぼ例外なく糖質過剰摂取な状況です。

こういった一般的な食生活が糖質過剰となってしまっているわけですから、それを人体に優しいレベルまで糖質摂取量を減らしていこうというのが糖質制限の考え方です。

糖尿病への対処と予防

糖質制限という考え方は元々、糖尿病の治療を目的としたものでした。

厳密には「糖尿病によって引き起こされる合併症の予防策」と言うべきものですが、糖尿病で問題となるのは血糖値のコントロールが出来なくなる点です。

人間の体にとって糖質の摂取により血糖値が上昇した状態は好ましいものではないので、血糖値を下げるための作用としてインスリンが分泌されます。

これによって血糖値は下げられるのですが、高血糖状態のみならず血糖値を下げる一連の作用自体が、人体にとっては負担を強いられるものなのです。

血糖値のコントロール機能を酷使した結果としてインスリン分泌機能が衰えてしまったり、あるいはインスリンの効果が弱まってしまう事で発症するのが生活習慣病としての糖尿病(2型糖尿病)であり、糖尿病状態に陥った体内では様々な合併症を引き起こすリスクが激増することになります。

糖尿病に関して糖質制限をする事の意義とは、その人が置かれている立場によって異なります。

  • 糖尿病ではない人:糖尿病を予防する事
  • 糖尿病の人:糖尿病合併症を予防する事

糖尿病が恐ろしいのは、高い血糖値状態によって引き起こされる数々の合併症の存在があるからです。

  • 糖尿病神経障害
  • 糖尿病性網膜症
  • 糖尿病性腎症
  • 血管合併症

こういったものが糖尿病合併症の代表的な例とされていますが、実際にはもっと多くの病気が糖尿病、つまりは高血糖の弊害によって発生していると考えられています。

糖尿病になっていない人は、まずは糖尿病にならない事を心掛けるべきですが、すでに糖尿病になってしまっている方に関しては、血糖値を自分でコントロールして合併症を引きを越さない状況を作り出す必要があるのです。

血糖値を低く抑える(食後高血糖を発生させない)事が何よりも重要なのですが、それを実現するためにどうすれば良いか、答えは簡単です。

血糖値を上昇させるのは基本的に糖質のみですから、糖質の摂取を極力控えれば良いのです。

これはすでに糖尿病となっている方だけではなく、糖尿病を予防するという観点から見ても同様の事が言えます。

糖尿病の方が血糖値を上昇させないようにするにしても、未疾患の方が糖尿病を予防するにしても、重要なのは食事によって血糖値が上がる状況を極力避ける事ですから、そのために必要なのは糖質の摂取を制限する事なのです。

酸化・糖化=老化

糖尿病に関わる問題以外にも、糖質の摂取は老化を促す事が分かっており、糖質を多く摂取すればするほど老いが加速することになります。

食事で血糖値が上昇すると、その血糖値をインスリンの作用で低下させる事になりますが、その結果として急に上昇した血糖値が急に下降するジェットコースターのような状況が発生します。

これを血糖値スパイクと言います。

血糖値スパイクが発生すると血管に多大なストレスが掛かりますので、それがひいては様々な疾患の原因となるのです。

活性酸素と呼ばれる有害物質が人体に悪影響を及ぼす事を酸化ストレスと言いますが、血糖値スパイクはこの酸化ストレスを大きく上昇させます。

また高い血糖値は糖化反応と呼ばれる化学反応を加速度的に引き起こし、その結果として体を構成するタンパク質を悪性に変異させ、最終的にはAGEs(終末糖化産物)と呼ばれる「体のサビ」のようなものへと変質させてしまいます。

このような糖化によって引き起こされる人体への悪影響を糖化ストレスと言います。

人の体内で発生する老化現象とは酸化ストレスや糖化ストレスによって発生するものだと言って差し支えありません。

酸化ストレスや糖化ストレスが高い糖尿病の人は、そうでない人と比較して有意に寿命の差が表れていますし、アルツハイマー型認知症などのリスクも数倍に跳ね上がります。

高血糖によって引き起こされるのは、決して糖尿病とそれに付随する合併症だけではないのです。

糖質は体にとって負担の大きい食物

ここまで説明してきたように、糖質制限の意義とは主に以下の三点に集約されます。

  • 肥満対策
  • 糖尿病対策
  • 老化対策

これらはそれぞれ独立した話ではく、密接に関係しあっています。

肥満は糖尿病の発症に大きく関わっていますし、糖尿病は老化を加速させる代表的な要因となっています。

これらの対策を一言でまとめると、「より健康的に生きるために糖質制限を行うべき」という事になるでしょう。

糖質とは、人間の体にとって非常に負担の大きい食物です。

極少量の摂取であればそれほど問題ありませんが、一般的な食生活で摂取するような量を日常的に体内へ取り込み続けている現状は、長い年月をかけて体を内側から壊そうとしているとしか言いようがありません。

年齢を重ねるごとに体にガタが出て来るのは当たり前だと思っている方も多いと思いますし、当然抗いがたい点も存在します。

しかし、そういった老化現象のうちの少なくない割合が糖質の過剰摂取によって発生している事を、我々は正しく認識しなければいけません。

本当の意味で寿命によって人生を全うする前に、糖質過剰摂取による弊害によって体がボロボロになってしまう人が多い世の中なのです。

老化というと若い人はあまりピンと来ないかも知れませんが、糖質の過剰摂取による酸化・糖化そして老化というものは若い年代から着々と進行していますので、まだまだ先の話だと思って油断していてはいけません。

アンチエイジングというものが注目されて久しいですが、最も端的かつ効果的なアンチエイジングとは糖質制限である事は間違いありません。