糖質制限をはじめる上でまず大変だと感じるのは、どの食品にどの程度の糖質が含まれているかを覚えなければならない点ではないでしょうか。
実際最初は困る事も多いと思います。
しかし慣れて来ると、おおよそ「これは糖質が多そう」、「これは低糖質だと思う」といった判断が自然と出来るようになってきます。
今回は糖質の多い食品、少ない食品のそれぞれに見られる特徴をいくつか挙げて見たいと思います。
糖質の多い食品の特徴
甘い食材
一番分かりやすい特徴はそう、「甘いものは糖質が多い」という事。
これは例えばケーキや和菓子、その他甘さがウリの食べ物だけではなく、野菜などに関しても大抵当てはまる特徴です。
例えば野菜で言えば、「キュウリ」と「カボチャ」ならどちらにより多くの糖質が含まれると思いますか?
恐らく多くの人は「カボチャ」と答えるでしょう。
それは・・・正解です。
このように、味わいの特徴を連想した時に「甘さ」が連想されるものというのは、野菜にしても果物にしても、その他様々なものに関しても多くの場合で糖質が多めに含まれています。
もちろんこれは「人工甘味料を使っているようなものは除いて」の話です。
しかし注意点として、「甘さのイメージがないからと言って低糖質とは限らない」という事も言えるので、その点は誤解のないようにしてください。
果物
果物は何となく健康的な食べ物のような気がしている人も多い事でしょう。
たしかにビタミンなどを豊富に含んでいるものも多いので、一概に不健康だとは言えないのですが、糖質の含有量という側面から言えば決して健康的な食物ではありません。
一部には低糖質な果物もありますが(アボカドなど)、基本的に果物は食べないか、あるいは量を控える事を意識しましょう。
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根菜などの一部野菜
野菜類の中でも根菜(根っこを食用とするもの)は野菜の中では総じて糖質が多めです。
あくまでも野菜類の中では、という話ではあるので、必ずしも避ける必要はありませんが、場合によってはかなり高糖質なものも存在します。
イモ類などは比較的高糖質ですから、食べる量にはくれぐれも注意したい食材です。
大根などはそれほど注意が必要な糖質量ではないので、大量の摂取でなければ食べても良いでしょう。
ただし注意点として、干すなどの処理が行われた結果として水分が失われた結果、100gあたりの糖質量が飛躍的に跳ね上がる事も多い点はご留意下さい(切干し大根、かんぴょうなど)。
食品 | 100gあたりの糖質量 |
---|---|
だいこん(生) | 2.7g |
切干しだいこん(乾) | 48.4g |
参考:糖質量&炭水化物量ポケットガイド
穀物
糖質制限食の代表的な特徴であり、実践する人が二の足を踏んでしまう最たる要因は「主食を抜かなければいけない」という点でしょう。
米や小麦などの穀物を主原料とする主食とされる食品(ごはん、パン、麺類など)を控えなければいけないというのは、一般的に主食大好き(お米大好き)な日本人にとっては殊更つらく感じられる事ですよね。
穀物の定義とは「デンプン質を主体とする趣旨を食用とするもの」ですが、デンプンはまさに糖質そのものと言って良いものですので、当然の事ながら穀物=糖質過多という事が言えます。
代表的な穀物は以下のようなものとなります。
- 米(イネ)
- 麦
- トウモロコシ
- キビ
- アワ
- ヒエ
どれも例外なく糖質が豊富に含まれています。
キビ・アワ・ヒエは現代ではそれほど多く食べるものではありませんが、麦やトウモロコシは良く食べられるものですし、何よりも米ですよね。
米が食べられない(量を相当減らさなければいけない)というのは、糖質制限食を普及させる上で最大の難題とも言えます。
慣れれば米を食べない暮らしになってもどうという事もないのですが、やはり心理的な拒絶感は如何ともしがたいものがあるのは十分に理解できます。
砂糖や異性化糖
糖質制限を行っている人間にとっては、言ってしまえば諸悪の根源のような存在である砂糖や異性化糖(果糖ブドウ糖液糖)ですが、裏を返せばこれらが含まれている食品は大概危険なものです。
もちろん含有量次第ではそこまで神経質にならなくても良い部分ではあるでしょうが、仮に製品の裏面に炭水化物や糖質の含有量表記がなかったとしても、砂糖や異性化糖が含まれていて、しかもその量が無視できない程度であろうと思われるものに関しては避けた方が無難でしょう。
基本的に糖質オフ・カロリーオフ系以外のソフトドリンクは高糖質となっています。
逆にお茶(日本茶、紅茶、ウーロン茶など)やコーヒー(ブラック無糖)などは低糖質となっています。
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醸造酒
ビールや日本酒、ワインなどの醸造酒は糖質量が比較的多いので、飲む際には量に気を付ける必要があります。
ビールに関しては糖質オフのもの、ワインに関しては辛口の赤ワインなどであれば比較的低糖質となっています。
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調味料
一般的に調味料は高糖質なものが多いので注意が必要です。
めんつゆ、ソース、ケチャップといったものは総じて高糖質なので、できるだけ使わないように心がけたい所です。
調味料が高糖質になりやすい理由として、多くのもので砂糖や異性化糖を使っている事が挙げられます。
逆に言えば、めんつゆなどでも砂糖や異性化糖を使わないようにした製品であれば、安心して使えるものも存在します。
最近では低糖質な調味料も増えて来た事で、低糖質料理のバリエーションが増えてきているのは嬉しい所です。
糖質の少ない食品の特徴
肉類・魚類
畜肉や魚肉に関してはおよそ全て低糖質食材と言って差し支えありませんから、糖質制限をしていると肉や魚を食べる量、機会ともに増えますね。
ただし注意したい点として、肉や魚自体は低糖質ですが、そこに対する味付けなどに使われるものに関しては高糖質なものも少なくない点は注意したい所です。
あとは肉や魚を使った加工品に関しては意外と多くの糖質を含んでいるものもあるので、そういった点も注意して裏面の成分表示を見る癖を付けるべきでしょう。
たとえばソーセージ(ウインナー)などは商品ごとに糖質の含有量が大きくことなっているので、こういった場合にもしっかりと裏面の表記を確認した上で購入するようにしましょう。
卵
ニワトリの卵はもちろん、ウズラにしろ卵は糖質0で高タンパク質な食材ですから、糖質制限をしている人は積極的に摂取したい食材の筆頭と言えます。
料理をする時も、困った時は卵料理となるぐらい、糖質制限を実践している食卓を彩る上でも重要な存在感を発揮してくれる食材ではありますが、卵料理に関してもやはり調味料に含まれる糖質量にはくれぐれ注意して下さい。
大体の野菜
糖質の多い食品で触れたように、根菜をはじめとした一部の野菜は比較的多くの糖質を含んでいる点は注意が必要ですが、それ以外の比較的低糖質な野菜に関しては食物繊維や各種ビタミンを考えた場合、積極的に取り入れたい食材だと言えます。
よく食べる野菜に関しては、あらかじめ糖質量を確認しておくようにしましょう。
大豆食品
畑の肉と言われるぐらい、植物の中では他に例を見ないほど豊富なタンパク質を含んでいる大豆ですが、そのおかげもあって豆類の中では非常に低糖質なものとなっています。
同じ豆類でも小豆などと比較すると糖質量の違いに驚くのではないでしょうか(小豆は甘く煮て餡にしなくても大豆と比べれば多くの糖質を含んでいる)。
そんな大豆から作られた食品には、納豆や豆腐などのような低糖質食品が多く、糖質制限食を実践する上での強い味方となってくれます。
キノコ類
糖質制限食で積極的に取り入れたいのがキノコ類です。
色々なキノコがありますけど、どれも低糖質なので安心して沢山食べて大丈夫。
ただしこれも市販のすでに調理されているようなものに関しては、調味料などに気を配る必要はあります。
ナッツ類
ナッツ類は食物繊維やビタミンなどが豊富である事もあって、糖質制限中の間食として推奨される事が多いです。
ただしナッツ類は相応に糖質を含んでいるものもあるため、食べる量には注意が必要です。
食品名 | 糖質量(100gあたり) |
---|---|
アーモンド(乾) | 11.0g |
カシューナッツフライ(味付け) | 20.0g |
くるみ(いり) | 4.0g |
マカダミアナッツ(いり味付) | 6.0g |
らっかせい(乾) | 11.5g |
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特にカシューナッツに関しては食べる量自体が少ない事を考慮しても中々の糖質量となっているので、出来れば避けたい所ですね。
逆にくるみに関してはナッツ類の中でも低糖質ですから、積極的に活用して行きたい食材と言えるでしょう。
油脂
糖質制限をしている時に重要なエネルギー源となるのが油脂です。
動物性、植物性を問わず基本的には積極的に摂取したいものとなっているので、料理において効果的に活用して行きましょう。
ただし注意点として、トランス脂肪酸に関しては人体にとって良くないと言われているので、糖質の有無とは別の話ではありますが控えた方が良いでしょう。
トランス脂肪酸は一般的にマーガリンやショートニングなどに多く含まれていると言われています(含有量は商品によってことなるようです)。
蒸留酒
焼酎や泡盛、ウイスキーやブランデーといった蒸留酒に関しては糖質が含まれていないので、安心して飲む事が出来ます。
注意点としては、チューハイの場合は割るものの糖質を気を付ける必要がありますし、さらには糖質の量とは別の話としてアルコールの多量摂取は体に良くありませんのでご注意下さい。
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裏の成分表を見る癖を付ける
糖質の多い食品、少ない食品の特徴をいくつか挙げてきましたが、何よりも重要なのは食品・食材を買うときは慣れるまでは裏の成分表を逐一確認する癖を付ける事です。
こういった癖を付けておけば、その分早くどの食品に糖質が多いか、少ないかを把握できるようになりますし、思い違いで糖質過多な食事をとってしまうようなリスクも軽減できます。
実際のところ、成分表を確認しつつ食材や食品を吟味して選んでいく作業にすっかり慣れると、基本的には裏を見ずにはいられなくもなるのですが。