糖質制限を実施する上で問題となるのは、どの程度のレベルで実践するかという点です。
糖質を全くとらないのか、少しであれば許容するのか、それなりの量を許容するのか、あるいは最低限度の摂取量を規定するのか。
そういった点について、当サイト『PFcメソッド』が掲げる糖質制限レベル別のクラスについて説明して行きたいと思います。
『PFcメソッド』で推奨する糖質制限食
当サイト『PFcメソッド』では以下の内容に沿った糖質制限食を推奨しています。
なおこの定義に関しては、糖質制限の第一人者である江部康二先生が提唱する糖質制限食を参考とさせて頂く形で設定しました。
「糖尿病徒然日記 」として糖尿病治療や予防などをテーマに、私なりの意見や情報を発信していきたいと思います。…
『PFcメソッド』推奨の糖質制限食
- 一日二食(一食や三食も容認)
- 一食あたりの糖質量は20g以下
- タンパク質と脂質は満足感があるまで十分に摂取する
- ビタミンやミネラルも意識的に摂取する
- 間食は一日合計糖質量10g以下に限り容認
食事回数について
当サイト『PFcメソッド』としては、糖質制限食を実施する上での食事回数についは「一日二食」を推奨しています。
なぜ二食なのか
率直に申し上げれば、「二食でなければいけない」とか「二食が最も適切な食事回数だ」といった根拠があるわけではありません。
ただ一つ言える事は、これまで一般的に思われてきたような「一日三食が健康的に望ましい」といった考え方にも根拠がなく、むしろ食事回数が多いと糖質を摂取するリスクも高まるという事です。
そういった観点から当サイトとしては、「食に対する満足感」と「糖質摂取頻度を減らす」という観点から見た場合には「一日二食」が最も妥当な推奨回数ではないかと考えています。
ですので、各々が考え、そして生活スタイルと合致する形で食事回数は決めて頂ければ良いとは思っています。
あくまでも当サイトが一応として推奨する回数は二回であるという事、ある意味でそれは「一日三食でなければいけないという事は全くないですよ」という事をご理解頂きたいという意思表示でもあります。
ただし食事回数が増えれば増えるほど糖質の摂取リスクが高まるというのも確かなので、「一日二食を推奨、一日一食あるいは三食も可」というものをPFcメソッド的な公式見解とさせて頂きます。
二食の設定時間
一般的な食事時間である朝・昼・夕のうちでどの時間帯に二食を設定するべきかですが、これは人それぞれご自由に設定して頂いて結構です。
当サイトとしては一応、朝食と昼食のどちらか一食+夕食といったスタイルを推奨しますが、確実にそうでなければいけないという事ではありません。
とは言え現実問題としては、朝食と昼食を取って夕食を抜くというのは少々時間配分的にバランスに欠けた食生活のように思えますので、基本的には夕食はとるようにした方が心身ともに満足度の高い食生活となるのではないかと考えています。
一度に食べれる量によって決めるのも良し
重要なのは食べる回数よりも一日の活動に必要な栄養素をしっかりと補充する事にあります。
糖質を制限する事を前提としつつ、厚生労働省が推奨する一日の必要エネルギー量を一応の指標として採用するなら以下の表にあるようなエネルギー量を食事から摂取するべきである事になります。
タンパク質と糖質は4kcal/g、脂質は9kcal/gとされています。

この数値を参考としつつ、一日に摂取するべきエネルギー量を考えた場合、一食で補うのがつらいと思った場合は二食、二食でもきついと思った方なら三食を意識した方が良いかも知れません。
人間の生命活動において必要な摂取エネルギー量の単位がカロリーで良いのか否かが分からない以上「これをこの量だけ摂取するのが正しい」と現状では断言できない状況なのです。
ですから、「暫定的にこのような必要エネルギー量をカロリーで表現したものを参考とするしかない」というのが率直な所です。
糖質制限レベルによるクラス分け
当サイトが推奨する糖質制限食の内容は先述の通りですが、それを糖質制限のレベルごとにクラス分けして定義していきたいと思います。
【PFc-1】「PFcメソッドで推奨する糖質制限食」
当サイトが推奨している糖質制限スタイルを正しく実行するものが『PFc-1』です。
- 一日二食(一食や三食も容認)
- 一食あたりの糖質量は20g以下
- タンパク質と脂質は満足感があるまで十分に摂取する
- ビタミンやミネラルも意識的に摂取する
- 間食は一日合計糖質量10g以下に限り容認
一日に摂取する糖質量を極力減らす事は目指しつつ、その中で否応なく摂取してしまうような糖質に関してはある程度許容するのが『PFcメソッド』としてのスタンスです。
糖質過多な主食(ごはん、パン、麺類など)を摂取することは控えつつ、いわゆる「おかず」といったものをお腹一杯に食べる事が基本的な実行方法となります。
さらには一日トータルで10g以下の間食を摂取する事を許容しておりますので、この点でも実行しやすいものとなるでしょう(あくまでも許容しているだけで間食を推奨している訳ではない点は誤解のないように)。
糖質は極力摂取しない事が望ましいのですが、あえて一食20gまでの摂取は許容する事で食事の選択肢がかなり広がります。
基本的に想定する状況としては、一日二食で各食事の糖質量が20g以下、間食は糖質量が10g以下であれば可能として一日の合計糖質量が50g以下を目標とするものです。
一日三食の場合なら20g以下×三食と間食の10g以下でトータル糖質量が70g以下という事になりますね。
江部康二先生が提唱する『スーパー糖質制限食』を参考として一食あたり20g以下といった基準を設定し、当サイトが推奨する一日二食のスタイルに落とし込みました。
間食の設定に関しては山田悟先生のロカボから着想を得させて頂きました。
【PFc-2】「PFc-1 + 糖質緩和食(糖質量40g以下)を一食まで容認」
ゆるやかな糖質制限を取り入れたスタイルが『PFc-2』です。
- 『PFcメソッド』推奨の糖質制限食(PFc-1)が基準
- 一日一食のみ糖質緩和食(糖質量40g以下)を容認
『PFcメソッド』推奨の糖質制限食を基準としつつ、一食だけ糖質量を緩和した糖質緩和食(糖質量40g以下)を容認するのが『PFc-2』の特徴となります。
一日一度は(量に気を付けなければいけないとはいえ)糖質の多い食品を摂取する事ができるので、糖質の多い食品(ごはん、パン、麺類など)をどうしても食べたいという人に向いているスタンスだと言えます。
クラス1と比較した場合に健康面での効果は弱まるものの、それ相応に意義のある糖質制限と言えるでしょう。
想定する状況としては一日二食で低糖質な食事の方は糖質量20g以下で糖質緩和食の方は40g以下(こちらの食事はできれば夕食時は避けましょう)、間食は糖質量が10g以下であれば可能として一日の合計糖質量が70g以下となるようにしましょう。
一日三食の場合なら低糖質食が(糖質量20g以下)二食と糖質緩和食(糖質量40g以下)が一食、そして間食(10g以下)で合計90g以下が目標となります。
基本的なスタンスは江部康二先生の『スタンダード糖質制限』に近いものと言えるでしょう。
【PFc-3】「PFc-1 + 糖質緩和食(糖質量40g以下)を二食まで容認」
糖質緩和食を二食分食べる事を容認するのが『PFc-3』です。
- 『PFcメソッド』推奨の糖質制限食(PFc-1)が基準
- 一日二食まで糖質緩和食(糖質量40g以下)を容認
糖質緩和食を一日二食容認する事となるので、比較的多くの糖質を摂取する事になります。
どうしても毎食ある程度の糖質を含んだ食事を食べたいという方は、こちらのスタンスを実行して頂ければと思います。
もし三食食べる場合は必ず一食は糖質制限食である糖質20g以下のものにした上で、糖質を含む間食は取らないようにしてください。
『PFcメソッド』推奨の糖質制限食と比較した場合に健康面での効果はかなり限定される事が想定されますし、糖尿病の方が実践するにはさすがに緩すぎるスタンスだと思われます。
あくまでもダイエット目的での糖質制限を若干の変化から取り入れたいという方、今後クラスを上げる事を想定した場合にまずはここから慣らしていこうという方に対してお勧めしたいスタンスと言えます。
可能な範囲で上のクラスを実践
糖質制限のレベル別にクラス分けをしてきましたが、当サイト『PFcメソッド』推奨の糖質制限食を実践する事が最も望ましいことは間違いありません。
糖質制限食の定義として20g以下の糖質量というものを設定しましたが、20gという範囲内であれば比較的選択肢も多く、それほど困る事もないでしょう(あくまでも糖質過多な食材を避けていればの話ですが)。
『PFc-2』に関しては一日に一度は量を制限されたとしても主食を食べたい!という方にお勧めなスタンスとなっていますから、その点に拘りの強い方はこちらを実践して頂ければと思います。
より緩めた『PFc-3』に関しては、ダイエット効果にしても健康効果にしても少々物足りないものとなってしまいますので、よほど糖質摂取に未練が強いような場合でなければ推奨は致しかねます。
出来るだけ上のクラスを実行する事が望ましいのは間違いありませんが、重要なのは「ストレスフリー」に実行する事ですから、糖質への思い入れを軽視せず、まずは自分が無理なく実行できるクラスから始めるのが良いかも知れません。
逆にあえて『PFc-1』から実行してみる事で、糖質依存から抜け出す良い契機とするのも良い選択だと思います。
アプローチは人それぞれでしょうが、ご自身がピンときたレベルからまずは始めてみては如何でしょう。