糖質制限を実践していると病気に掛かりにくいという話を聞いたことありませんか?
実は糖質制限には免疫力を高める効果もあると言われており、各種感染症に対する抵抗力も高く維持する事ができるのです。
糖質制限と免疫力の関係性を紐解く上でキーワードとなるのは、ケトン体と慢性炎症そしてAGEsです。
糖質制限で免疫力が高まる理由
なぜ糖質制限を実践することで免疫力が高まるのでしょうか。
糖質制限食を用いた糖尿病治療の第一人者である江部康二先生は以下のブログ記事で二つの要因を挙げておられます。
- ケトン体高値
- AGEsの蓄積が少ない
こんばんは。今回は糖質制限食と免疫力について検討してみます。免疫力とは、病原菌や毒素やその他の異物に対して、抵抗して打ち…
こちらの記事から引用させていただく形で、この二点について詳しく見て行きましょう。
ケトン体の保護作用
糖質制限者にとっては体内の主なエネルギー源となってくれるケトン体ですが、ケトン体にはそれ以外にも体にとって有益な効果が期待できます。
スーパー糖質制限食なら、よりケトン体高値となるので、
おおいに心臓・腎臓・脳保護作用が期待できます。
心臓・腎臓・脳が元気に活動していれば、当然免疫力も高まります。
スーパー糖質制限食(一日の糖質量60g以下、一食20g以下)を実践することで体内でケトン体が増え、ケトン体を主なエネルギー源として利用し始めますが、その結果として人間にとって重要な器官を保護する作用が働くとの事です。
当サイトが推奨する糖質制限レベルで言えば『PFc-1』が該当しますね。
しっかりとした糖質制限を実践する事で血糖値の上昇を抑えるだけでなく心臓・腎臓・脳などの保護作用が期待できるというのは嬉しい副次的効果と言えます。
さらにはケトン体の一つであるβヒドロキシ酪酸には人体で発生している慢性炎症を抑える効果があるとの事です。
炎症は本来、切り傷や打撲あるいはウイルス感染などによって発生する一過性のものを指していました。
しかし近年はそれとは別に人体で発生している「低レベルかつ恒常的な炎症」が様々な病気の原因となっている事が明らかになって来たのです。
こういった炎症のことを『慢性炎症』と言います。
この慢性炎症がどのようにして生じるのかはこれまで不明でしたが、
近年、インフラマソーム(☆)と呼ばれる自然免疫経路を介して
動脈硬化の炎症反応が起こっていることが明らかとなっています。インフラマソームは、2型糖尿病・動脈硬化・アルツハイマー病・老化などにおいて炎症応答を促進します。
ケトン体の中でも、βヒドロキシ酪酸は、インフラマソームを抑制することがわかっています。
糖質制限食により身体の様々な慢性炎症が治まれば、当然免疫力は高まります。
AGEsの蓄積が少ない
AGEsというのは様々な化合物の総称であり、『Nε-カルボキシメチルリシン』『Nε-カルボキシエチルリシン』『アルグピリミジン』など数十種類が特定されています。
糖質の過剰摂取によってAGEsがより多く生成される事で様々な疾患を引き起こす原因の一つとなります。
私も糖尿病という持病はありますが、血糖コントロール極めて良好で、
AGEsの蓄積も最小限ですんでいるので、
同年代の糖質を普通に食べている健常人(AGEsの蓄積が多い)よりも免疫力は高いと思います。
糖質制限で各種ウイルス対策
季節性のものも含めて様々なウイルスが人体を脅かしてきます。
そんな時に最も重要な事は、そのウイルスに対してしっかりとした免疫力を我々が備えているかです。
人体には本来、そういったウイルスに対抗するための力が備わっています。
しかし糖質過多な食生活が当たり前となっている現代においては、そういった機能が様々な体の不調によって阻害され弱体化させられています。
そのような状態がウイルスの体内での増殖を許してしまう原因の根底にはあると考えられます。
糖質制限を実践する事は血糖値を正常にコントロールする事による各種健康効果だけではなく、ウイルスという外敵から身を守るためにも非常に有効な手段なのです。