『ロカボ』をお勧めできる人の条件

以前の記事でロカボは当サイトとしては推奨できないという事を説明しました。

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ロカボオフィシャルキービジュアル

いくつかの理由からロカボを当サイトとしては推奨できないという結論にいたったのですが、とは言え条件を限定した場合にはお勧めできるケースもあります。

今回はどういったケースであればロカボをお勧めできるかについて説明して行きたいと思います。

ロカボとは?

ロカボについては以前の記事で説明しました。

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  • 一食の糖質量は20~40g
  • デザートは10g以下
  • 1日の合計糖質量は70~130g
  • 最低限の糖質摂取量(70g)を設定

以上の要件を満たす、一言で言えば「緩めの糖質制限」という事になります。

この中でも特に特徴的なのは、ロカボでは最低糖質量といったものを設定している点です。

江部康二先生が提唱する糖質制限や当サイトが推奨する「PFcメソッド」では最低糖質量といったものを設定していませんので、糖質量は基本的に少なければ少ないほど良いというスタンスです。

それに対してロカボでは「最低でも一日に70g程度の糖質は摂取したほうが良い」というスタンスである点が、当サイトのスタンスとは大きく異なる点です。

ダイエット目的ならロカボでも十分効果的

糖尿病の人が合併症予防を目的として行う糖質制限としては、ロカボでは効果は限定的と言えますからお勧めできません。

しかしダイエットを目的としているのであれば、ロカボレベルの糖質制限でも十分に効果的であると思われます。

ロカボを推奨できる条件

当サイトとしては、以下の条件を全て踏まえた上であればロカボスタンスでの緩めの糖質制限も推奨可能だと考えます。

  • 耐糖能に異常がない人
  • 食物の糖質量に深く精通している人

耐糖能に異常がない人

糖尿病を含む、インスリンの働きが弱くなる(分泌減やインスリン抵抗性)事によって生じる高血糖を発生させている状態を耐糖能異常と言います。

糖尿病とは一定レベル以上に悪化した耐糖能異常状態の事ですが、糖尿病と診断されていなくても一定以上に血糖値が上昇してしまう人は耐糖能に異常をきたしているという事になります。

一般的な健康診断では食後高血糖が生じているか否かが中々判明しないという問題点があるので、本当に耐糖能に異常がないかどうかというのは、75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)を実施するでもしないと正しくは把握できないので、「健康診断で何も言われていないから大丈夫」というわけではない点には注意が必要です。

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注射と試験管

食物の糖質量に深く精通している人

一言で言えば、「糖質制限について経験・知識ともに豊富な人」という事です。

ロカボレベルの糖質制限を実践する上で極めて重要となるのは、食物に含まれてる糖質量を正しく把握する事で過剰に糖質を摂取しないように努める事です。

当サイトで推奨する「PFc-1」のようなスタンス(一食あたりの糖質20g以下)であれば糖質は極力少なくするだけで良いですから、仮に糖質に関する知識に穴があったとしても、そこまで多くの糖質を摂取してしまうケースは稀でしょう。

しかしロカボの場合は一食あたり40gの糖質摂取を良しとしていますから、多くの人はやはり40g程度まで糖質を摂取しようとすると思います。

そうした場合、食物にふくまれている糖質量に関する知識に穴があった場合、40g程度の糖質量だと判断して食べていた食事に実は60gを超えるような糖質が含まれているなんてケースが十分に考えられます。

カロリー制限ダイエットに関する研究では、人は自分が認識している摂取カロリー量の約1.5倍程度はカロリーを摂取してしまっているケースが多いという話もあります。

恐らくそれと同様な事が、特に糖質量に関する知識が浅い場合では往々にして発生しているだろうと予想されます。

つまり糖質制限の経験・知識が不足した状態でロカボ基準の糖質制限を行った場合、一食あたり60g(本来の基準値40gの1.5倍)を超える糖質量を摂取する事が常態化しているようなケースも十分に考えられるという事です。

しっかりとした糖質制限で経験を積んでからロカボへ移行

先ほども触れたように、ロカボをお勧めできるのは耐糖能に異常がない人、つまりは糖尿病の気が全くない人です。

そういった人が将来的に糖尿病にならないために実践する予防策としては、ロカボレベルのゆるい糖質制限でも十分に効果的であろうと思われます。

あと厳密に言えば、糖尿病診断において境界型糖尿病と診断された人のうち比較的軽微な耐糖能異常の人であれば、ロカボレベルの糖質制限でも本格的な糖尿病へ昇格してしまう事を防ぐ効果はあるでしょう。

一方で境界型の人であっても糖尿病診断されるラインに近い人に関しては、ロカボレベルの糖質制限では少々心もとないように思われます。

耐糖能に異常がない(あるいは異常が軽微)人がロカボを実践するにしても、まずはしっかりとした糖質制限(当サイトで言うところのPFc-1)を実践する事を強くお勧めします。

なぜなら先ほど触れたように、糖質制限の経験や知識が不足している状況では自分が想定しているよりもかなり多くの糖質を摂取してしまう可能性が高いからです。

こういった糖質制限ビギナーのうちは、多少糖質を多く摂取していても安全なレベルの糖質制限(一食あたり20g以下)を実践することで、経験や知識の不足を基準値を厳しく設定する事でカバーする事が可能となります。

こういった確りした糖質制限を実践する中で糖質制限の経験・知識を蓄えて、誤って多くの糖質を摂取してしまうような事が起こらないようになってからロカボ(緩い糖質制限)へ移行しましょう。

もしも最初からPFc-1レベルの糖質制限を行うのがツラい、ロカボレベルから慣らしていきたいという場合には、以下のような流れで経験を積んで行くのが良いでしょう。

「ロカボ」→「PFc-1」→「ロカボ」

PFc-1レベルの糖質制限を行う事で、どのような食材(調味料なども含む)にどれだけの糖質が含まれているかといった知識が蓄えられます。

もちろんロカボの実践でも知識は蓄えられますが、良くも悪くも糖質量に余裕があるという認識が出て来るので、PFc-1と比較した場合には細かな所での糖質量把握が大雑把になりがちです。

そういった意味で、一度しっかりと厳しめの基準で糖質制限を行ってみる事を強くお勧めしたいと思います。