『血糖値』とは?糖尿病や肥満との関係性

糖質制限をしている人にとっては非常に身近な用語である血糖値ですが、意外とそれが具体的に何を意味するのかまではご存知ない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ここでは血糖値とは何なのか、そして肥満や糖尿病との関係性について触れて行きたいと思います。

血糖値とは

血糖値とは何かについては、英語での名称を見ると分かりやすいです。

blood glucose level(ブラッド・グルコース・レベル)

つまりは血液中のグルコース(ブドウ糖)濃度を表した用語となっています。

健康な人の場合だと平常時(空腹時)は概ね70~100mg/dL程度の範囲で安定しており、食後は食べたものに含まれる糖質の割合や種類によって上昇します。

インスリンが正常に働いている人の場合だと、食事によって上昇した血糖値をインスリンの働きで下げられて再び正常な範囲に戻ります。

血糖値とは高すぎても低すぎても人体に悪影響を及ぼす要素であり、高すぎる時にはインスリンの作用で下げられ、低すぎる時にはグルカゴンやコルチゾール、成長ホルモンなどによって押し上げられるようになっています。

糖尿病との関係

糖尿病とは言い換えれば、『血糖値コントロール不全症』とも言えます。

本来はインスリンの働きで正常な範囲内に収まるはずの血糖値が、正常にコントロールできなくなっている状態の事を糖尿病と言います。

糖尿病にはインスリンがほとんど分泌されない状態の1型糖尿病と、インスリンの分泌が弱い・インスリンが効きづらい状態の2型糖尿病とが存在しますが、どちらの場合でも血糖値のコントロール不全という点では共通した問題を抱えていると言えます。

一方で1型糖尿病は自己免疫疾患に分類され、年齢を問わずに突発的あるいは先天的に発症するものであるのに対して、2型糖尿病は生活習慣病の一つとして糖質の過剰摂取によって発症する点で原因は大きく異なります。

糖尿病患者の9割以上は生活習慣病である2型糖尿病であり、一般的にも糖尿病と言えばどちらかと言えば2型糖尿病の事を指す場合が多くなっています。

血糖値が高い状態で維持される事は人体にとって非常に負担の大きい状態であり、その結果として多くの合併症を引き起こします。

糖尿病の恐ろしさとは、血糖値のコントロール不全の先にある様々な疾患にあると言えるでしょう。

糖尿病という病気そのものが正に「万病のもと」なのです。

糖尿病患者の大多数を占める2型糖尿病に関しては、度重なる血糖値の上昇とインスリンの分泌を繰り返した結果、膵臓のβ細胞が疲弊したり(インスリン分泌不全)、インスリンの効果が弱まったり(インスリン抵抗性)した結果として発症するものです。

突発的あるいは先天的に発症する1型糖尿病は別として、2型糖尿病は生活習慣病の一つとされるように「血糖値の頻繁な上昇とそれに伴うインスリンの多量分泌が無ければ基本的には発症しない疾患」であると言えるでしょう。

肥満との関係

血糖値が肥満に与える影響に関しては、糖質制限ダイエットで痩せる仕組みを見て行くと分かりやすいでしょう。

関連記事

糖質制限ダイエットについては過去に別の記事で説明しました。 その記事でも軽く触れましたが、今回は糖質制限ダイエットでなぜ痩せる事が出来るのかについて、もう少し深く掘り下げて説明したいと思います。 糖質制限ダイエットとは 糖質制限ダ[…]

体重計

糖質を摂取すると、一部の消化されない糖質を除いて多くのもの(デンプンなどの多糖類も含めて)はブドウ糖や果糖へ分解されて体内で吸収されます。

そうすると、ブドウ糖が血中に多く取り込まれた結果として血糖値が上昇することとなり、高血糖状態は血管に多大な負担を強いる事となります。

その状況を解消するために膵臓からインスリンという物質が分泌されて血中のブドウ糖を各細胞へ分配するなどして血糖値を下げる事になるのですが、分配後に余ったブドウ糖は中性脂肪へ変換されて体内に蓄積される事になります(分配後に余った場合としていますが、一般的な食生活を送っていた場合には多くの場合で余るのが普通だと考えて差し支えありません)。

このような働きから、インスリンは肥満ホルモンとも呼ばれています。

血糖値が高く保たれている事は人体にとって良くない状態ですから、インスリンを分泌させる事で血糖値を下げる事になります。

その作用の結果として体内に中性脂肪を貯め込み、結果的に肥満を生み出す事となるのです。

肥満は2型糖尿病の発症にも深く関係しており、その他多くの病気においてもリスクを大きく高める代表的な要因として挙げられます。

様々な病気は高血糖から始まる

血糖値は人間にとって高すぎても低すぎても良くないものであり、人間の体には血糖値を正常に保つための機能があらかじめ備わっています。

しかし序盤で説明したように、血糖値を上げる役割を担うホルモンは複数ありますが、血糖値を下げるホルモンはインスリンただ一つなのです。

その事からも分かるように、人体は低血糖に比べて高血糖に対する備えが甘く、一度インスリンが正常に機能しなくなると無防備に高血糖状態を引き起こすようになってしまいます。

そして高血糖状態は様々な病気を引き起こし、人体を内部から蝕んで行くのです。

それは何も糖尿病合併症に限った話ではなく、一見関係性が定かではないような疾患すら高血糖が元凶として潜んでいる可能性は大いにあります。

あらゆる病気は高血糖から始まると言っても言い過ぎではないのかも知れません。

それは逆に捉えれば、「高血糖を防ぐ事が出来れば、あらゆる病気の予防に繋がる」とも言えるのです。

高血糖を常態化してしまう糖尿病を防ぐためにはどうすれば良いか、それはやはり糖質の過剰摂取を止める以外にないでしょう。

1型糖尿病に関しては自己免疫疾患(体内の免疫機能が正常な細胞を誤って攻撃してしまう事で発症する疾患)とされていますのでこの限りではありませんが、2型糖尿病は典型的な生活習慣病です。

2型糖尿病を発症させないようにしっかりと糖質制限を実践していく事が、あらゆる病気の予防において最も重要なのです。