『GI値』や『GL値』とは?その実用性と信ぴょう性について

糖質制限ダイエット情報の中で比較的良く見かける用語にGI値GL値というものがあります。

非常に重要な要素のように扱っている場合もあれば、そうでもないような扱いの場合もあって混乱する人も少なくないのではないでしょうか。

そこで今回はGI値やGL値とは何なのか、その実用性や信ぴょう性について触れて行きます。

なお、この記事で扱った食品のGI値とGL値に関しては、『フードハック』さんに掲載されている数値を参考とさせて頂きました。

GI値

GI値の正式名称は『Glycemic Index(グリセミック・インデックス)値』です。

GI値とは、その食品がどのぐらい食後高血糖を発生させやすいかを表した指標です

GI値の高い食品は食後高血糖を発生させやすく、逆に低い食品は食後高血糖を発生させづらいという事になります。

計算式は以下のようなものとなりますが、これを見てもあまりピンと来ない方も多いでしょう。

GI値=「当該食品摂取時の血糖値上昇曲線の面積」÷「ブドウ糖摂取時の血糖値上昇曲線の面積」×100

「血糖値上昇曲線の面積」というのは以下のようなものです。

GI値の説明(血糖値上昇曲線の面積)用画像

血糖値を当該食品を摂取してから時間経過ごとに測定していくと、このような曲線的グラフを描く事になります。

そうした場合の上昇曲線の内側にあたる部分(画像で言えばオレンジの部分)の面積が大きければ、その食品は高血糖状態を長時間維持したという事になります。

つまりこの面積の広さが、その食品の血糖値上昇度合いを表しているという事になる訳ですね。

先ほどの計算式をもう一度見てみましょう。

GI値=「当該食品摂取時の血糖値上昇曲線の面積」÷「ブドウ糖摂取時の血糖値上昇曲線の面積」×100

これを見ると、測定対象の食品の面積をブドウ糖による面積で割った上で100をかけています。

要するにこれは、「ブドウ糖をそのまま摂取した場合と比較して、その食品がどの程度血糖値を上昇させやすいか」という事を表している数値なのです。

この式の当該食品にブドウ糖を当てはめてもらえば分かるように、ブドウ糖のGI値は100です。

ブドウ糖を100として、それと比較してその食品がどの程度血糖値を上げやすいかを数値で表しているのがGI値という事です。

仮に血糖値上昇曲線の面積がブドウ糖の半分である食品Aがあったとしたら、その食品のGI値は50となります。

この結果を言い換えれば、「食品Aはブドウ糖と比較して50%血糖値を上昇させやすい」と表現する事もできるでしょう。

ただここで注意するべきなのは、この測定は当該食品に含まれる炭水化物を50g摂取した場合の数値をブドウ糖50gの数値と比較したものである点です。

当該食品50gを摂取した場合ではなく、当該食品に含まれる炭水化物を50g摂取した場合という点に注目して下さい。

例えば『サツマイモ』であれば100gあたりに31.9gの炭水化物が含まれているので、50gの炭水化物を摂取するとなると157gを摂取する必要があります。

それに対して『キャベツ』であれば100gあたりに5.2gの炭水化物が含まれているので、50gの炭水化物を摂取するとなると962gを摂取する必要があります。

さらには100gあたりの炭水化物の含有量が極めて低い『牛モモ肉(0.5g)』や『生鮭(0.1g)』についても計算してみると以下のようになります。

  • サツマイモ:157g
  • キャベツ:962g
  • 牛モモ肉:10,000g
  • 生鮭:50,000g

このように、炭水化物の含有量が低い食品に関しては現実的な測定が難しいほどの量を摂取しなければいけない事になってしまいます。

そうして得られたGI値を比較してみると、例えばサツマイモはGI値44となる一方で牛モモ肉はGI値46となります。

これだけ見ると、おおよそ同程度の数値ですから「牛モモ肉とサツマイモは同じぐらい血糖値を上げやすい」と思ってしまうかも知れませんが、実情は全く異なります。

仮にサツマイモと牛モモ肉をそれぞれ「1kg分食べた時の血糖値推移」を測定した場合、間違いなくサツマイモの方が明らかに高い血糖値を示すでしょう。

逆に牛モモ肉は味付けに糖質の高いものを使うような事が無ければ、1kgを摂取してもほとんど血糖値の上昇は見られないはずです。

何故ならこの場合、サツマイモ1kgに含まれる炭水化物量が319gであるのに対して牛モモ肉1kgに含まれる炭水化物量はわずか5gですから、その差は歴然としています。

にもかかわらずGI値の比較でみるとサツマイモは44、牛モモ肉は46といった差になってしまうとなると、少々首を傾げたくもなりますよね。

こういった点からGI値は実用的な面で問題があるとも言われており、それに対応する形で考案されたのがGL値です。

GL値

GL値の正式名称は『Glycemic Load(グリセミック・ロード)値』です。

GL値とはGI値を基本としつつ、「実際に食べる分量に含まれる糖質量」といった視点を取り入れた、より実用性の高い指数です。

計算式は以下のようなものとなります。

GL値=「当該食品のGI値」×「当該食品100gあたりに含まれる炭水化物量(g)」÷100

あるいは以下のような基準でGL値を発表しているケースもあります。

GL値=「当該食品のGI値」×「当該食品一食に含まれる炭水化物量(g)」÷100

二つ目の方は一度に食べる一般的な量を定義した上でより実用的な数値を導き出しているものですが、「一食の量」というのはケースバイケースで随分と変わって来る部分だと思いますので、当サイトとしては前者の「100gあたりに含まれる炭水化物量」によって導き出せれた数値をGL値として扱いたいと思います。

この基準で計算されたいくつかの食品のGL値を見てみましょう。

GI値 GL値
ブドウ糖 100 100
もち 82 41
精白米ごはん 75 28
サツマイモ 44 13
牛モモ肉 46 0

先ほど例として扱った「サツマイモ」と「牛モモ肉」を再びみてみると、GI値よりはGL値の方が実際の食生活での血糖値に対する影響度を現実的な数値で表せているように思えますね。

牛モモ肉はGL値0ということで、血糖値の上昇には(普通に食べる量で考えれば)ほぼ影響しないと言って差し支えないでしょう。

サツマイモに関してはGL値13という事で少々分かりにくいかも知れませんが、精白米がGL値28であり、もちがGL値41という事ですから、「サツマイモの血糖値上昇度合いは、精白米の1/2、もちの1/3程度(どれも同じ量を食べた場合)」といったように考えれば、イメージしやすいのではないでしょうか?

GI値とGL値の実用性

GI値が実用性に欠ける事で生み出されたのがGL値であると説明したように、GI値だけでは普段の食生活を考えた場合にはあまり実用的な指標とはならないと言えます。

それに対してGL値はより実用的な指標として一定の役割を果たせるものとなっていると言えるでしょう。

GI値とGL値のどちらを参考にするか?といった事になれば、数値を見比べた場合の食品間の比較という意味で言えば、断然GL値がお勧めです。

GL値と糖質量

GI値とGL値の比較ではGL値の方が指標として(特に食品間の比較として)役立つと言いましたが、ではGL値と糖質量についてどう考えるのかという事が気になる部分ではないでしょうか。

実はGL値と糖質量のどちらをより気に掛けるべきかという問いは、あまり意味を持ちません。

というのも、様々な食品のGL値と糖質量を見比べて頂ければわかると思いますが、GL値が相対的に高い食品というのは100gあたりに含まれる糖質量も多く、その逆もまた然りなのです。

つまり、「低GL食品≒低糖質食品」といった関係性が成り立つと言えるのです。

これが何を意味するかと言えば、つまるところは「糖質の摂取量が最も重要である」という事に他なりません。

そもそもGI値という「血糖値の上げやすさの性質を表す指標」では実用的ではない事で考案されたのがGL値という「炭水化物(基本的にはほぼ糖質と同義)の含有量を考慮した実用的な指標」なのですから、結局のところは「糖質が多く含まれている食品は血糖値を上げやすい」という事をGL値も表しているのです。

もちろん中には糖質量が同程度でありながらGL値に有意な差がある食品同士も存在すると思いますので、そういったものに関してはGL値を考慮しても良いでしょう。

ただし、ここにも落とし穴があるのです。

それは、食品の摂取による血糖値の上昇には個人差が大きいという事実です。

GI値の信ぴょう性

GL値もGI値をもとに計算された指標ですから、元となっているGI値の信ぴょう性に依存している事になります。

では肝心のGI値の信ぴょう性は如何なものかと言えば、一個人において参考になるか否かの判断が非常に難しいものであると言わざるを得ません。

というのも公表されているGI値というものは当該食品を摂取した時の血糖値変化測定に参加した複数の参加者が示した血糖値変化の平均値であり、すべての人にとって自分の場合と符合して考えられるものではないからです。

食品を摂取した時の血糖値上昇具合には個人差が大きく、ある人では大きく上昇する食品でも別の人では然程大きな変化が見られないような事も少なくありません。

もし自分が血糖値の上昇感度に関してGI値で示されているような平均値に近い数値となるような体質である事が分かっている人がいれば、その人にとってはGI値は有用な指標でしょうし、それを元に作られたGL値も大変有用な指標でしょう。

しかしそのような人は(少なくとも自分がそのような平均的な血糖値上昇感度である事を把握している人は)まず存在しませんから、そういった意味ではGI値やGL値というものは信用しすぎるのは危険だと言えます。

GI値やGL値では比較的血糖値を上昇させづらいとされている食品が、自分にとっては高感度に血糖値を上昇させてしまう事も現実的には有り得るのです。

そういった事を考慮するなら、GI値やGL値は参考程度に留めておく方が無難であると言うべきでしょう。

糖質量で判断しましょう

ここまでGI値とGL値について説明してきましたが、結論としましては「GI値やGL値よりも糖質量で判断するように心がける」事を当サイト『PFcメソッド』としては推奨します。

食品別の血糖値感度に個人差がある以上、GI値やGL値の数値を妄信するのは危険ですし、何よりも「糖質さえ摂取しなければ血糖値は上がらない」という基本的な部分を抑えて糖質量を節制する方がよりシンプルかつ容易です。

ただでさえ糖質制限を始める段階だと、食品に含まれる糖質量を把握する事に四苦八苦する人も少なくないでしょうから、それに加えて有用性に疑問のあるGI値やGL値まで覚える事は糖質制限をいたずらに難しくするだけです。

もし何らかの理由で一定以上の糖質量を含む食品を食べなければならない事態に直面した時には「藁にもすがる思い」でGI値やGL値のお世話になるのも悪くはないでしょうが、基本的にはシンプルに糖質量にだけ目を向けておけば大丈夫です


各食品のGI値とGL値の参照元:FOOD HACK(https://food-hack.com/table-rules/)