『GA』とは?HbA1cとの違いについて

糖尿病の診断でよく利用される指標であるHbA1cについて別の記事で説明しました。

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血糖値を直接的に測定するのではなく、高血糖状態がもたらすHbA1cの増加に着眼する事で、より簡単かつ安定した血糖値コントロールの指標を得られるという事でHbA1cが活用されているという事、そしてHbA1cの糖尿病検査としての信ぴょう性などについても触れました。

今回はHbA1cと違って糖尿病の診断にはあまり使われないGAという指標について説明して行きます。

『GA』とは?

GA(グリコアルブミン)とは、血清蛋白質の主成分であるアルブミンがブドウ糖と結合してできる糖化産物です。

HbA1c(グリコヘモグロビン)がヘモグロビンとブドウ糖が結合したものであったのに対して、こちらはアルブミンとブドウ糖が結合したものとなっています。

血中にブドウ糖が多く含まれている状態(高血糖状態)であればアルブミンとブドウ糖は結合しやすくなるため、GAがより多く生成されます。

逆に血中のブドウ糖濃度がそれほど高くはない状態(平常血糖状態)であればアルブミンとブドウ糖の結合は相対的に少なくなりますから、GAは生成されづらくなります。

血糖値の指標として使われる点ではHbA1cと同じではありますが、GAはHbA1cと比較して短期的な血糖値の平均値を推測する事に向いています。

ヘモグロビンの寿命を考慮した場合のHbA1cの意義とは「過去二か月程度の平均血糖値を推定できる」事にあったのに対して、アルブミンの寿命を考慮した場合のGAの意義とは「過去二週間程度の平均血糖値を推定できる」という点にあります。

GAの数値とは、総アルブミン量中のGAを%表記で表したものです。

GAの数値において基準値(正常値)とされるのは11.6%~16.4%の範囲となります。

GAは糖尿病の診断にはあまり使われることのない指標となっているのでどこからが糖尿病という基準はありませんが、基本的には16.5%を超える数値になるのは望ましくないという事のようです。

HbA1cと比較した場合、過去二か月間の血糖値が安定した状態を維持しているような場合であれば、GAはHbA1cに対しておおよそ三倍の数値となると言われています。

『GA』と『HbA1c』

GAとHbA1cは共に血糖値の平均を推定する指標として活用されていますが、糖尿病の検査などでは基本的にはHbA1cが活用されており、GAが用いられることは少ないようです。

しかし実際の所としては糖尿病検査における精度としてはGAの方が優れている点も多く、特に食後高血糖を頻発させているか否かの指標としてGAはHbA1cに比べて断然有用であるとの事です。

糖質制限による糖尿病治療の第一人者である江部康二先生は、食後高血糖を数値に反映できる点を評価してGAの活用を推奨なさっています。

こんにちは。今回の記事は、グリコヘモグロビン(HbA1c)とグリコアルブミン(GA)を比較してみます。HbA1c:4.9…

アルブミンが血糖と結合してグリコアルブミンになるスピードは、
ヘモグロビンが血糖と結合して HbA1Cになるスピードより、
9倍くらい速いと推測されています。

そのため、ごく短時間だけ現れる高血糖に対しては、
グリコアルブミン値の方が HbA1C値より敏感に反応しやすいと考えられます。
ごく短時間だけ現れる高血糖は、通常は糖質摂取後の高血糖です。
これが、「グリコアルブミン検査は食後高血糖の評価に適している」とされる理由です。

~中略~

食後高血糖をよく反映するので、臨床的にはHbA1cより有用なので、
グリコアルブミン検査は今後、もっと普及して欲しいと思います。
なお、献血したときは、GAが検査して貰えます。

食後高血糖で引き起こされるような高血糖状態の影響はHbA1CよりもGAの方が大きく、そのためGAは食後高血糖を多く引き起こしている場合には高い数値を記録しやすいとの事です。

対してHbA1Cはそういった一時的な高血糖状態の影響を受けにくいという事は、恒常的な血糖値の高低に数値が左右されやすい=空腹時血糖値の影響が大きいとも言えるのでしょう。

言い換えれば、HbA1C検査では空腹時高血糖は発見できても食後高血糖は発見できない可能性があり、一般的な健康診断で行われているような「HbA1C+空腹時血糖値検査」という体制では、食後高血糖を察知する事が困難であるという事にもなります。

GA検査の普及を望む

ここまで説明してきたように、糖尿病の検査指標としての実用性を考えた場合、HbA1CよりもGAの方がより有益な結果を得られる可能性が高いと言えるでしょう。

そんな中でもHbA1Cが活用され続けている理由は、HbA1Cによる平均血糖値推定というものが長らく糖尿病治療における標準的な診断基準であったがために、現状もそれが継続的に活用されている状況のようです。

しかし実際問題として、空腹時血糖値だけではなくむしろ食後高血糖こそが様々な病気の原因となるものである事が判明してきた以上、食後高血糖をより察知しやすいGA検査の方をより優先的に活用するべき時代になってきたと言うべきではないでしょうか。